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SAWAMURAの働き方
共育カレッジ
2023.03.27
教育体制の構築をミッションに、岩手から滋賀へ。知識と熱量を伝える共育カレッジ

ソリューショングループの営業企画課で、法人営業社員に向けた知識や考え方をアップデートする共育カレッジのカリキュラム構築を担う鈴木さん。地元東北では被災した水産加工業の工場再建にも尽力された、食品工場とマンション営業の専門家です。豊富な知識と情熱を持ちながら見据える「SAWAMURAの営業」の理想像とは? ご自身の仕事観を通して語っていただきました。

 

鈴木さん
ソリューショングループ 営業企画課 シニアマネージャー
2020年からSAWAMURAの食品工場プロジェクトに参画。2022年から正式入社し同職に。食品工場建築と資産活用で多くの実績を持つプロフェッショナル。

 

東日本大震災で変わった仕事観とSAWAMURAとの出会い

―鈴木さんは岩手県出身で、もともと岩手を拠点に仕事をしていたと伺いました。滋賀県のSAWAMURAとの出会いを教えてください。

大学卒業後、地元の建設会社に就職し、現場管理とマンションの新築営業に携わりました。2011年に起きた東日本大震災では実家が被災し、復興の支援というか、少しでも力になりたいという思いが湧き上がりました。そこで会社に働きかけ、営業所を立ち上げたんです。被災した水産加工業の補助金申請・工場再建をサポートするプロジェクトに数多く取り組みました。

その後は、もっと専門性を高め成長したくて、再度大学に入学。2020年から東北の建設会社に勤務しながら、副業として、SAWAMURAが携わっていた食品工場プロジェクトに参画したのが縁の始まりでした。

 

―当時は外部のパートナーだったんですね。そこから入社に至った理由は?

食品業界や工場に関するノウハウが自分の強みになっていたので、将来的にはコンサルタントとして地元で独立したいと考えていました。そこで食品業界に強みを持つ、別の会社に転職予定だったのですが、この会社が副業禁止で。どうしようかと悩んでいるところに、SAWAMURAからもオファーがあったのです。

この時は「転職先で勉強した後に独立するつもりなので、その際にはまた協力させてください」とやんわりとお断りするつもりでお返事しました。すると「東北まで会いに行くので、話をしませんか」と法人営業の土岐部長から連絡がありまして。直接お会いすると「副業もOKだし、独立まで応援するので、その間うちに来てもらえませんか。鈴木さんはいまのSAWAMURAに必要な人材です」とまで仰っていただきました。そこまで言っていただけるのなら…と熱意に感銘を受け、入社を決意しました。

 

―熱い信頼と期待ですね。SAWAMURAでは、どのような役割を求められていますか?

企業の力の源泉は人ですので、成長に繋がる仕組みづくりが使命だと感じています。

具体的には、数年先の経営目標に向けて、スタッフの知識を深め、目標達成へのマインドチェンジができる教育体制づくりです。そのために、中間管理層には、事業部の目標に基づく事業計画の作成や、月に1回の勉強会(共育カレッジ)を開催しています。

また、副業の建設コンサルタントで他社とも積極的に関わることで、良い事例を学んでいます。中でも自分にしかできないこととして取り組んでいるのが、他社の法人営業との交流を生み出すことです。建築業界の法人営業が1人前になるまでには10年かかると言われています。他部署の同期などと自分を比べて「本当に成長できているだろうか?」と不安に感じてしまう若手は多いのですが、同業他社と接点があれば、成長や知識、悩みを共有でき、良い意味でライバルになれるし、自身の成長も客観視できます。一言で「人材育成」といっても単純な経験や学習だけではなく、意識や考え方のサポートも大切です。

 

やらないことを決めて、強みを最大化する

―実際に入社して、現場の営業メンバーについてはどのように感じましたか?

素直で実直な印象です。そして何でもやる、何でもできる、という器用さもあります。ただ一方で、もっと専門性を伸ばしたいとも感じました。

SAWAMURAの強みである設計施工一貫方式のメリットは「提案力」と「ナレッジの蓄積」にあります。主力商品のひとつである「CANARIS(カナリス)」は、システム建築でありながら、働く環境へのアプローチが可能な点や、意匠の柔軟性を強みにしていますが、お客様のニーズである「モノ(商品)を収納する空間」としての価値においては、圧倒的に価格勝負になってしまうケースが多いのです。そこでは、本来の強みである設計施工一貫方式のメリットは薄くなります。また、システム建築は多くのゼネコンが既に加盟していて、必然的に今後も価格競争が続きます。

そのため、単なるシステム建築+@ではなく、様々な分野で特化することが必要である、と考えていました。工場建築では、「人」「物」「機械」など多くの要因をまとめる力が必要になります。そこには本来、様々なコミュニケーションを円滑に進行できる設計施工一貫方式のメリットが色濃く出るはず。工場内は、機械はもちろん、動線・電気・設備を考慮しなければなりませんし、働く人が快適に働けるよう、空調や休憩室、事務所なども整備しなければ採用がうまくいかず、稼働できない懸念もあります。単に価格と納期だけで対応できる、という点ではなく、「その企業が今後どのようなビジネス的、社会的発展を遂げていくか?」を想定して、計画や設計施工がスムーズにできることが真の強みになる、と考えています。

中でも私が特化しているのは食品工場です。製造業全体の中でも食品工場はかなり科学的であり、HACCPといった厳しい運用指標もあるため、ノウハウ・ナレッジが貯まりやすく、次のお客様にも価値を提供しやすいのが特徴です。

長くなってしまいましたね(笑)。私としては「なんでもできる地方ゼネコン」よりも、設計施工一貫方式を最大限生かせる「やらないことを決めて特化するプロ建築集団」になることが必要だと思っています。

―理想形をしっかりと見据えてらっしゃるんですね。仲間として心強いです。

 

大切にしているのは相互理解。営業よりもコンサルタントとしてお客様に向き合う。

―SAWAMURAでは、お客様が抱える問題や課題を見つけ出して解決策を“一緒に考える”、という営業スタンスを大事にしてきました。前職までの経験も踏まえ、鈴木さんご自身が法人営業として意識していること、大切にしている価値観はありますか?

工場・倉庫はお客様にとって「売上・利益を上げるため」の設備投資であり、あくまで「事業の一部」である、という意識を持っています。建設会社の役割は、一般的には建物の引き渡しまでですが、お客様の事業を深く理解しているかどうかで、そもそもの提案の幅と深みが全く違うものになります。

原材料がどこの取引先から納品され、どういったラインで製品化され、お客様からさらにその先にどのように提供されるのか?そこまで突き詰めて考え、取り組むのが本当の建物づくりです。そこには経営者様の理念や将来像なども反映されるので、営業よりもコンサルタント的な視点が重要になってきます。

相互理解も普段から心がけています。お客様は建築のプロではありません。私たちにとっては当たり前の用語でも、お客様の知らない言葉やわからない言葉を使っていると、実はストレスになってしまっていた、というケースもあります。提案の時は、できるだけわかりやすい表現を使いたいものです。同時に、私自身もまた、お客様の業界のプロではありませんので、事前にお客様の業界の動向、他社事例などをしっかりと調査し、ヒアリングや提案に臨むようにしています。この2軸を兼ね備えることで、お客様の課題解決ができる建築コンサルタントになれると思います。

 

重要なのは「お客様のために」を考え抜くこと

―そういった鈴木さんの価値観やナレッジを共有する場としてSAWAMURAの「共育カレッジ」制度があります。講師として立つ際に気を付けているポイントはありますか?

「食品工場営業」と「資産活用営業」の2つのカレッジ講師を担当していますが、念頭に置いているのはどちらも、お客様の顕在ニーズと潜在ニーズにどうやって訴求できるのか、です。

食品工場であれば、まずはお客様の顕在ニーズである「複雑な食品工場建築を、安心して任せられる建築会社であること」を満たさなければいけません。そのため、食品工場建築における食品衛生・HACCPについての理解を深める講義シリーズをつくっています。潜在ニーズへのアプローチとしては、SAWAMURAの強みでもある「社員・スタッフが働きやすい職場環境づくり」の提案へと繋げるカリキュラムを組んで進めています。

資産活用については、「理論」と「感情」の2軸をコンセプトに構成しています。アパートやマンション、テナントビルの建築は“事業”です。いくら意匠性、仕様や機能を高めても、収益が出なければ、お客様も、ひいては金融機関も評価できません。マンション、アパート建築を“机上の空論”にしないための、建物投資のリターンやリスク、マーケティング評価方法などを学ぶカリキュラム。こちらが「理論」です。一方で「感情」については「お客様がなぜ今、建物投資をすべきなのか?」を突き詰めて、税金対策や、将来の資産形成にかかわる家族内調整の大切さなどを、ケーススタディなども交えて学べるようにしています。

いずれにせよ「建物を建てること」を目的とするのではなく、「お客様のためになることを考える知識やスキル習得」を目指しているのがポイントです。

 

社内外を動かし、お客様の事業を成功へ導く「熱量」。

―鈴木さんらしい論理的なカリキュラム構成ですね。では、鈴木さんにとって“SAWAMURAらしさ”を持った法人営業とはどのような人物だと思いますか?

まさに「お客様のためになることを考える」営業のことだと思います。「お客様のためになんとかしたい」という想いを常に持っているからこそ、お客様にとって最も価値のある提案を生み出せます。お客様のことを好きになる、その業界にも興味を持って取り組むといった「営業の熱量」が欠かせませんね。単純な価格やスペックを超える情熱があってようやく、社内外のスタッフを巻き込んでプロジェクトを進行し、提案の質を上げ、結果として、お客様に最良の建物や事業の成功を提供することができるのです。

実際のところは、ひとりひとりの営業スタイルは違うので、表面上はクールだったり、業務上はドライに見える営業も居ていいとは思うのですが、内面では誰しもそういった信念を持っている。そうしたスタイルは、もともとSAWAMURAが持っている文化にも通じますし、地元を大切にする市場深耕型のビジネスモデルにも親和性があると思います。

 

常に成長し続けるため、学び続ける。

―鈴木さんの根本にあるそうした価値観に触れ、普段の行動から変化が見える営業も出てきていると感じます。最後に、鈴木さん自身が目指したい人物像のようなものはありますか?

尊敬する人、という具体的な人物像はありませんが、「勉強し続ける人」でありたいとは思います。自身の成功体験だけがすべてだと勘違いせず、常にインプットとアウトプットを繰り返して成長していきたいです。そのせいで、未だに過去の提案を振り返っては「もっと良いものができたのではないか?」と考えてしまいますが(笑)

大学に入り直したのは30代後半でしたが、そこで私よりも年齢が高く、会社規模や役職も違う方々と出会って、衝撃を受けました。皆さん仕事に対する熱さがすごいんですよ。

それまでは「なんでも知っている上司でいなければ」というプレッシャーで息苦しかったのですが、「アウトプットは、インプットした分からしかできないんだな」と気付きました。経営者になっても学びを止めない、そんな50〜60代の先輩たちを目の当たりにしたことで、わからないことがあってもいい、学び続ければいいんだ、という安心を得られた気がしました。私も彼らのように、いつまでも熱量を持った人間でいたいと思っています。

 

Interview&Text: SAWAMURA PRESS編集部

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