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2022.12.14
全社員で「書き初め」。一方通行の方針発表会をワークショップ型に転換した理由に迫る

SAWAMURAでは年に1度、経営方針発表会「SAWAMURA VISION」を行っています。これまでは、社長をはじめとする経営層が来期に向けての方針を語り、社員はそれを受け取るという形でした。

それが今回は、全社員が身体を使ってコミュニケーションするワークショップ型に大転換!約130名の社員が一同に会し、話したことない人同士がチームを組んだり、走り回ったり、書き初めをしたりと、今までにない刺激的な時間となりました。

どうしてそんな場が生まれることになったのか、企画運営に携わったブランド推進室の和田山さんにインタビューを行いました。

 

和田山さん
ブランド推進室 コミュニケーションディレクター

広告制作会社で営業兼ディレクターとして大手企業のプロモーション施策に従事し、2019年にSAWAMURA入社。ブランド推進室の立ち上げに参画し、企業ブランディングやマーケティング、社内コミュニケーションや研修の設計に携わる。

 

未来を語り合う「場」づくりを目指して

――経営方針発表会というと堅いイメージでしたが、今回大きく内容が変わったのはどうしてですか?

過去のSAWAMURA VISIONは、経営層が将来像を語るのを、社員にも緊張感を持って受け止めてほしいという意図で企画されていました。リブランディングの発表時には映画館で開催したくらい、非日常の式典のような演出だったんです。

それがコロナ禍でオンライン開催になり、録画データを共有するだけになり…と、どんどん意義が薄れてしまっていました。今回2年ぶりにオフラインで開催するにあたり、一番大事にしたいこととして、縦や横のコミュニケーションを生むこと、という方向性が最初に決まったんです。

 

――その時点で従来のものとは大きく変わることになったんですね。

ちょうど会議や社内研修に「ワークショップ型」の考え方を取り入れようと、いろいろ試しているタイミングでした。コミュニケーションに必要なのは「問い」と「場」をつくることだと、少しずつ体感できてきた頃だったので、社内に考え方を広める機会にもなればと思っていました。

ただ、普段から企画設計しているワークショップは10人程度の規模。130人というスケールでうまくいくのか、不安もありました。

コミュニケーションが重要とはいっても、ただの交流会では意味がありません。「全員で未来を語り合う場をつくりたい」という代表の強い思いもあったので、ワークショップの設計や組織開発に強みのあるパートナーさんに「ワークショップづくりのワークショップ」なんかも開いてもらって、プロジェクトチーム全員で当日のことをたくさん想像しながら企画していきました。

VISION設計の前段階として行われた、ワークショップづくりのワークショップ

 

ひとりひとりがビジョンに「触れる」場が必要だった

――実際の企画の内容について教えていただけますか?

最初はアイスブレイクということで、その場で2-3人のチームをつくって自己紹介し合うワークを行いました。2回目以降は同じ人とは組めないルールのお陰で、3、4回目には普段交流のない他部署や他拠点のメンバーで面白い出会いも生まれていたように思います。

そうしてチームができてからは、世の中にあるいろいろなブランドに、自分の基準で点数をつけるというワークを行いました。みんな知ってるから90点、自分は使いたいと思わないから20点、など、人によって基準や価値観ってこんなに違うんだ、というのは、わかっていても実感する機会は少ないですよね。点数の差ってめちゃくちゃわかりやすいので、「なぜその点数を付けたの?」という疑問が出てきて、自然と視点の違いに気付いていく体験になります。

その後はSAWAMURAが掲げるビジョン「滋賀を代表するブランド企業になる」ことについて、社長からプレゼンテーション。それを受けて、各チームで「ブランド企業とは」「ブランド企業になるために必要なものとは」みたいな問いに向き合って、いよいよ「書き初め」でしたね。

 

――ドレスコード(?)が「汚れても良い服」だったので、今年の方針発表は何をやるんだ!?と社内でもざわついていました(笑)

洗って落とせる筆ペンを使いましたが、念のためですね(笑) 作業服での参加もOKにしました。

書き初めのテーマは「10年後のSAWAMURAがどんな会社だと呼ばれたいか」。SAWAMURAのビジョン「ブランド企業になる」って、すごく曖昧ですよね(笑)。でもそこには、個人個人の価値観を反映できる余白があるとも思っていて。ひとつの価値観でまとめ上げるブランディングではなく、ひとりひとりが個性を発揮する土台をつくるブランディングになればいいと思う。そしてそんな中でも、「やっぱり人が魅力の会社だと思ってほしいよね」みたいな、何となく全員が共感できるような認識が出てきて。そういう「違うけど同じ」感じが共有されただけでも、良い企画になったのかなと思いますね。

書き初めにすることで、楽しみながらも真剣に向き合う空気に

――書き初めもそうですが、普段の業務の中では絶対にしない体験でした。

SAWAMURAは技術の会社ですから、社員の半数は現場監督として、日々確実に品質や工程の管理を行っています。それが事業活動の根幹なのですが、その分、5年後10年後の自分たちがどうなっているか、と考える機会は普段の仕事の中にはまずありません。ブランドやビジョンと言っても、目の前の現場を確実に仕上げることに比べたら、何か言葉遊びをしているように感じる社員も居ると思います。だからこそ、一方的に聞くだけではなくて、ひとりひとりで意見を出し、手を動かして、少しでもブランドやビジョンに「触れる」場づくりが必要だと思います。

コインチョコでの投票を行い、最も共感を集めた書き初めが選ばれた

 

1度のイベントだけでは変わらない。継続して、人を活かすコミュニケーションを

――実際に開催して、手応えのようなものはありましたか?

まずコミュニケーション面で「いろいろな人と対面で話せてよかった」という声は多かったです。コロナ禍の間に社員数が一気に増えたので、話したことがない社員同士も増えていました。ワークショップ形式にしたことで、接点をつくりづらい人同士もつながれるきっかけはつくれたのかなと。SAWAMURAの風土として、やっぱり「人」に興味のあるメンバーが多いんですよね。

一方で、ブランドやビジョンに触れるという面では、まだまだやり方は考える必要があります。企画側はやっぱり期待しすぎてしまうところがあって、実際は半日でいきなり視点や考えが変わったり前に進んだり、って、なかなかしないですよね。「考え始めるきっかけのワークショップ」と位置づけてはいましたが、それにしては設定した問いの段階も多くなってしまったなと思います。130人居れば個々人の意識の差も大きくなりますし。

一度きりの企画で急に理解度が高まるようなものではないと念頭に置きつつ、継続して取り組まなければ、ブランド企業への道のりは遠のいてしまうと思います。

 場そのものを楽しんでいる社員が多かった

 

――最後に、今後や次回に向けてどんな取り組みをしていきたいか、思いを聞かせてください。

社員全員で考える場になるように、今後はブランド推進室だけでなく、いろいろな立場のメンバーが一緒になって企画していければと思います。

今回一番共感を集めた書き初めは「五目炒飯」でしたが、多様な人材や技術がありつつ、全体で会社としての魅力をかたちづくっているのがSAWAMURAの強みというか、純粋に僕自身が好きだと感じるところです。きっかけさえあれば、どんどん横につながって新しいものを生み出すポテンシャルがあるはず。そこをワークショップをはじめとしたコミュニケーションの企画・設計で支えていきたいですね。

書き初めで最も共感を集めた「五目炒飯」。様々な能力を持つ社員が集まって、ひとつのまとまりのある料理になっている

 

Interview&Text: SAWAMURA PRESS編集部

 
 

 

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