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2025.10.21
【きっかけStories】共創パートナーも一緒の社員総会!平安伸銅工業「余白があったら、何をいろどる?」参加レポート

こんにちは。SAWAMURAの和田山です!

10月3日に大阪で開催された平安伸銅工業様の感謝祭「余白があったら、なにをいろどる?」に参加してきました!

突っ張り棒のメーカーである平安伸銅工業様とは、経済産業省のBE THE LOVED COMPANY*プロジェクトを通じた出会い。価値観で共感する部分が多く、先日スタートした「ウェルネス現場事務所」プロジェクトでは内装デザインにご協力を頂いています。仮設事務所内で自由なレイアウトやデザインが実現できたのも、壁や天井を傷つけずに空間を変えられる平安伸銅工業様のプロダクトのお陰!

*「愛される企業」をテーマに人的資本経営に取り組む企業を繋げて価値観を育むプロジェクト

平安伸銅工業様の商品「LABRICO(ラブリコ)」を活用したウェルネス現場事務所

今回の感謝祭は、そんな繋がりからお招きをいただきました。社員と共創パートナーが一緒になって場を共有するという「感謝祭」。SAWAMURAにとっての社員総会みたいなものかな?と参加したところ、「平安のありのままのカルチャーを感じていただける機会」とご招待のメッセージで頂いた通りの、あたたかく、誠実で、かつ楽しい!という体験に大感動。

こんな会社、ファンになるしかなくない…!?と感じた僕の思いのたけをぜひ受け取ってください。

(以下、親しみを込めて「平安伸銅さん」と呼ばせていただきます)

「余白があったら、なにをいろどる?」

前半のキーノートセッションは、平安伸銅さんの代表取締役「かよさん」と文筆家の土門蘭さんの対談。急遽モデレーターに任命されたという羽渕さんの案内で幕を開けました。

左から、平安伸銅かよさん、土門蘭さん、平安伸銅羽渕さん

日々に「余白」つくるのって難しいよね?という素朴な問いかけに対して始まったかよさんのお話。母親として、経営者として、自分が望む暮らしが実現できない状態が続き、自分自身の存在価値がわからなくなってしまった時期があったこと。何かを諦めることが、いま自分に求められていることなのでは?と自身を追い詰めてしまう時期に出会ったのが、土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』だったそうです。

『死ぬまで生きる日記』は、幼い頃からずっと希死念慮を抱えていた土門さんが、その理由を知りたくて通い始めた2年間のカウンセリングの記録。自分自身の感情に向き合い続けた足跡です。

人間には、他者からこう見られたいという「自意識」と、それらを取り払ったあとに残る「自我」がある、という土門さん。人と繋がりっぱなしが当たり前の現代で、「他者から見える自分」を意識せずにおくことはとても難しくなっています。しかし常に他人軸で自分を捉えることは、自我の声を封じ込め、本当の自分を見失わせてしまうのではないか。

会社や家に居ても「帰る場所がないと思っていた」というかよさんや、オフィスにたくさんの人が居るのに「独りぼっちだと感じた」という羽渕さんの言葉が印象的でした。周りにたくさん人が居るのに、さびしいと感じる。この気持ち、少しわかる気がします。

そんなおふたりが『死ぬまで生きる日記』に出会って、「孤独」って悪いものじゃないんだ、と肯定的に捉えられるようになったことが、この対談のきっかけだったそうです。

誰とも繋がっていない孤独は、普段目を背けてしまっている自分自身と向き合うための時間になる。人に見せたい自分だってかけがえない自分には違いないですが、きっとこの自意識と自我のバランス、繋がりと孤独のバランスを取ることが、生きていくには大事なことなんですね。

人に見せようとして今の自分を否定しなくてもいい

綺麗で片付いた部屋や映える部屋が「正解」のようになっている今の世の中。土門さんの自室はたいへんに散らかっているそうですが、ある時、他人にさえ見せなければその状態に満足している自分に気付いたそうです。

かよさんが応援したい「その人らしさ」とは、インスタ映えや他人の目から自由になって、その人がやりたいことに向き合えるようにすること。そうして、「住まいを帰る場所に変えること」だといいます。

世の中的に正解だとされる整理収納ではなく、自分にとって必要なものかどうか、自分自身と対話してひとつひとつを決めていく。映えといいねで繋がる自意識ではなく、その人の自我を大切にできるようにサポートするのが、平安伸銅らしい価値観なんじゃないか。その人自身が自分の本当に大切なことを選ぶ力を鍛える、そのための自己対話の余白(孤独な時間)づくりに貢献したい、という思いは、まさに平安伸銅さんのカルチャーを象徴しているように感じられました。

頭ではなく、手で考えろ

後半のパネルディスカッション&ワークショップでは、今期から平安伸銅さんのCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)として就任されたクリエイティブユニットTENTの青木亮作さんと、そのお父様である青木雄作(愛称:ヒゲじい)さん、平安伸銅さんの常務取締役カズさんが登壇されました。

左から、平安伸銅カズさん、ヒゲじい、TENT青木亮作さん

青木親子のとにかく「目に見えるものを作る」「作ることが考えることである」という生き方は、先ほどの丁寧に言葉を掬い取っていく対談とは真逆の印象。「まず作る。作ったものをめっちゃ良いと思う!そこから、なんで良いんだろう?と考える」とTENTの青木さん。

何だこの振り幅!?と頭が切り替わらない間に、本日のハイライトであるワークショップに突入していきました。

雑に作ろうワークショップ!!!!

手で考えることを体験しよう!ということで早速ワークショップが始まりました。振り返ると、会場の後ろにはなんか大量のダンボール(と工具)が用意されてる!

工作に夢中になる大人たち

多くのものづくり企業とデザインプロダクトを生み出してきたTENT青木さんの流儀は、とにかく雑でもいいからまず作ること。今回は「日常のちょっと嫌」をテーマに、それを解決するアイテムのプロトタイプを考えてみるというワークです。

出来栄えは気にしなくていい。とにかく雑でもいいから作って、発表すること。他者の評価は気にせず、くだらなければくだらないほどOK!

あれ?これって、やってることは全然違うのになんだか前半の対談とちょっと似てる…!?

そんな思いが一瞬よぎりましたが、実際に手を動かし始めるとすぐに夢中になってしまいました。平安伸銅の社員さんも共創パートナーも関係なく、混ざり合って各々のものづくりに没頭します。

こういう工作をする時、自分はとにかく時間を掛けてしまいがちなのですが、「早く形にすることが大事」と言われたので、真っ直ぐな線も、左右のバランス調整も気にせず、思うがままにざくざくとダンボールをカットしていきます。あれ、イメージ通りにいかないな?そんな感情も一旦は置いておきます。

そうしてほぼ最速クラスで発表エリアに持ち込んだのが…こちら!

あまりにも楽しそうな和田山

「部屋でリモコンを無くしてしまう」という「ちょっと嫌」を見かけたので、【リモコンに取り付けて超巨大にするアタッチメント】のプロトタイプを考えてみました。このレベルで全然OK!というのがこのワークのポイントで、何でも場に出せる安心感がすごいです。

自由な発想で生み出される数々のプロトタイプたち

クリエイティブとは、おしゃれなものをつくることではない。とにかく高速でつくり、次の日にまた改善する。そうした積み重ねでできていくものだ、という青木さんはまさに生粋のものづくり人です。

つくり始める前から時間を掛けるくらいなら、先に作って改善する、というスピード感を体験した後だと、会社に戻って何かつくりたい!あれを始めたい!みたいな熱量がふつふつと湧き上がってきました。

きっと、一緒に参加されていた平安伸銅の社員さんたちはもっと触発されたんじゃないでしょうか。

手を動かすことには、前半のセッションで話されていたような、ポジティブな意味で「人を孤独にする」、自己との対話のための余白を生む、強い力があると感じました。

利害関係だけでなく、価値観で繋がる共創のパートナー


平安伸銅さんからのお誘いメッセージに書かれていた「平安のありのままのカルチャーを感じていただける機会」という言葉の意味をじっくりと味わうような、それでいてあっという間の4時間でした。社員の方々と一緒になって参加できた、というのも、平安伸銅さんらしい価値観の表れのように思います。

SAWAMURAが「ウェルネス現場事務所」で共創させていただくことになったのも、単に商品が便利だからとか、仮設事務所にちょうどよかったから、だけではありません。会社同士の考え方や価値観に共感し合って、この人たちと一緒に仕事がしたい、という思いがあってこそなのだと感じます。

滋賀の建設会社と、大阪の収納用品メーカー。一見すると関係のない企業に見えても、価値観で繋がれば、新しいものをともに生み出す可能性が生まれる。そんな共創への思いを一層深くした一日でした。

 

この記事を書いた人

コーポレート統括部 ひとづくり・カルチャー推進課
和田山

広告制作会社のディレクターを経て、2019年にSAWAMURAに入社。クリエイティブディレクションやワークショップデザイン&ファシリテーションなどのスキルを活かした社内外の課題解決をミッションとし、領域を横断した取り組みと情報発信を行う。2025年10月より現職。

※なお今回、改めて平安伸銅さんのファンになった和田山が「記事にしたいです!」とその場でお伝えし、カズさんと羽渕さんに快諾いただきました。記事に使用しているイベント写真もすべて提供いただいたものです。本当にありがとうございました。

Text&Edit:和田山/Photo:平安伸銅工業様よりご提供

 

平安伸銅さんとの共創で生まれた 「ウェルネス現場事務所」についてはこちらをご覧ください!

従業員の心身の健康の向上を目的とした 「ウェルネス現場事務所」を開始しました

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