建設業界では長時間労働のイメージから、育休制度があっても取りにくいと感じる社員が少なくありません。そんな中、SAWAMURAでは誰もが安心して制度を活用できるよう「産休育休ガイドブック」を制作しました。プロジェクトを担当したのは、自身も産休・育休を取得して復職したばかりの広報企画・川嵜さん。当事者だからこそ分かる課題と、制作を通じて改めて感じた会社の温かさについてお聞きしました。
PROFILE
コーポレート統括部 企画広報課
川嵜 さん

大学で建築を学び、リブランディング前のSAWAMURAへ新卒で入社。賃貸マンションリノベのプランナーとして従事したのち、広報に異動。2年間の育児休暇を取得し、2025年1月復帰。自身の経験をもとに働きやすい会社づくりに取り組む。

―今回の産休育休ハンドブック制作は、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?
川嵜:はじめは上司からの依頼でした。実は上司も育休の経験者で、ご自身が育休を取られた2年前からずっと「産休育休のガイドブックを作りたい」と思っていたそうなんです。でも体制的になかなか作れずにいて…。私が育休から復職したタイミングで声をかけていただいた、という流れでした。
社員数が増えるなかで制度の整備自体は進んできましたが、実際に利用している人以外は中身を知らない状態だったんです。
―復職したばかりで本プロジェクトを任されて、いかがでしたか?
川嵜:復職したてで自分が主導できるプロジェクトがなく、任せていただけたのが嬉しかったです。産休と育休を取得した自分だからこそ、これから制度を利用される方にとって一番近い気持ちで作れるのではないかと思い、「ぜひやらせてください」という感じでした。
上司は私が内定者のころからフォローしてくださっている方で、長いお付き合いなんです。「内定者時代も知っている川嵜さんと子育てトークをして、このプロジェクトを一緒に進めるなんて感慨深い」とおっしゃってくださって。まさか二人でそんな話をする日が来るとは思いませんでしたが、育休取得の当事者同士で話し合えたのも良い経験でした。
―川嵜さんご自身の育休取得時はいかがでしたか?
川嵜:私が取得した頃、女性の育休取得はまだ少なく、制度についてはよくわからない状態でした。妊娠したのでお休みしましょうという感じで、休みの期間や復職後の働き方についてもあまり把握せず、とにかく産休に入るという状況でした。
この経験があったからこそ、ガイドブックの必要性を実感していましたし、問題意識を持って取り組みました。

―今回、育休取得者4名の方にインタビューを実施されましたが、どのような発見がありましたか?
川嵜:インタビューさせていただいた方々は、私が育休を取る前にすでに取得されていた先輩方で、その姿を見て「自分も取得できるのだ」と考えていました。先輩方は復帰後もバリバリ働かれていて、すごく活躍されていると思っていましたが、実際にお話を聞くと、育児と仕事の両立で苦労されていたことを知りました。
同時に、復職後にこれだけ働けているのは上司や一緒に働くチームメンバーのおかげだという話をお聞きして、制度があるだけではダメで、実際に制度がちゃんと回るようにサポートしてくださるチームメンバーや上司の存在があってこそということを改めて感じました。
それこそ社員が少ない頃は、子育て社員のお子さんを同僚の方が代わりに迎えに行ってくれたなんていうエピソードもあり、あらためてSAWAMURAの温かさを感じました。
また、管理職へのインタビューで「チームメンバーを信頼して任せられたから育休を取れた」や、「一回信じて任せてみようという気持ちで踏み切れた」という話もあり、印象的でした。
―そういった上司の思いは、部下の方はあまり知らなかったかもしれませんね。
川嵜:そうですね。SAWAMURAで働く方々は社員思いの人が多いですが、寡黙で背中で語るタイプの方もいらっしゃいます。一緒に働くメンバーもその思いをインタビューを通じて初めて知るかもしれません。

―建設業という業界特性を踏まえて、特に配慮した点はありますか?
川嵜:他社の産休育休ガイドブックでは女性向けの色が強いものが多いと感じました。
当社は建設業で、女性社員も増えていますがまだ約7割は男性社員です。そのため、男性社員が手に取ったときに「これは女性社員のためのもの」と思われないよう、デザインも意識して作りました。
また、建設業というと3Kで休暇が取りにくいイメージがあるかもしれません。ですが当社では女性はもちろん、男性の取得率もかなり上がってきています。育児休暇=取りにくいというイメージを払拭するもの、というよりは、育休も選択肢のひとつと自然に捉えてもらえるようにしたいと考えました。
―男性の育休取得も増えてきているのですね。
川嵜:そうですね、増えています。
誰かが育休を取ったり復職したりすると、じゃあ自分も、という流れが特に若手の間で広がっているようです。

―制作過程で、新たに知った制度もあったそうですね。
川嵜:はい、社内制度をまとめていく中で「こんな制度があったんだ」と初めて知るものがありました。会社の成長に合わせて制度は増えていくのですが、更新が追いつかなかったり、テスト運用のままで正式公開されていなかったりするものもあったんです。
例えば、時短勤務制度とは別に子どもが中学生になるまで勤務時間を調整できる制度や、認可外保育所手当など、働きやすさにつながる当社独自の制度がいくつもあることを知りました。一種の宝探しのように、普段は明示されていないけれど、対象者になると説明を受けて利用できる制度もあったんです。
これまで利用者しか知らなかった制度が、このガイドブックをきっかけにみんなが知っている制度になるといいなと思います。
―このハンドブックが完成したことで、どのような変化を期待していますか?
川嵜:女性に関しては、私自身もそうだったのですが、どんな制度があるのかわからないまま産休に入るのはとても不安だと思います。その不安を少しでも解消できるものになれば嬉しいです。
男性に関しては、これをきっかけにご家族や上司と育休について話し合う場が生まれればと思います。きっかけがないとなかなか話題にしづらいので、ガイドブックを見ながら相談したり、この制度を使いたいと上司に伝えるときに活用していただければと。
ただ、ガイドブックを作ったからといって、みんなが絶対に取得すべきという方向になるのは望んでいません。半年で復職したいという人もいれば、1年じっくり休みたい人もいる。それと同じように、取得したい・したくないという選択も、個人の思いを尊重することが大切です。
このガイドブックも、そうした“個々の選択を支えるための土台”のひとつになればと思っています。

―ガイドブック制作を通じて感じた、SAWAMURAの社風についてはいかがですか?
川嵜:インタビューの中でも触れましたが、SAWAMURAは家族やプライベートの時間を大事にするという温かい思いやりが根付いている職場だと思います。
現場監督へのインタビューでも、休んでいる社員にはできるだけ電話をかけないという話が出ました。もちろん仕事柄、お客様の都合で休日出勤や残業が必要になることもあります。どうしても生活に仕事が入り込むことはありますが、それでもできるだけ仕事以外の時間を大切にしようという雰囲気があります。
社員数が増えても、そうした思いやりはなくなってほしくないですし、家庭を大事にできる制度があるのなら、それをきちんと社内に浸透させていきたいと考えています。
―最後に、このプロジェクトを振り返ってのお気持ちをお聞かせください。
川嵜:育児休業制度に関して、国の法律が変わったり、社内の制度も増えたりするかもしれません。作って終わりではなく、その都度情報を更新し、常に使いやすい状態にしていく必要があると考えています。このガイドブックが安心して働ける環境づくりのひとつとなるよう、今後もアップデートを続けていきたいと思います。
今回は川嵜さんへのインタビューを通して、当事者だからこそ見えた課題と、産休育休ガイドブック制作に込めた想いをご紹介しました。
これからも、安心して働ける環境づくりに向けた取り組みや想いを紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
【今回ご紹介したSAWAMURAの産休育休ガイドはこちら!インタビュー等を省いた抜粋版です】
Interview&Text:株式会社Crepe/Photo:佐野誠二/Edit:SAWAMURA PRESS編集部