
改修のきっかけは?
以前の工場には女性用のトイレや更衣室、食堂がなく、休憩スペースもありませんでした。
温度管理が重要な製品を取り扱っているにもかかわらず、冬場は隙間風が入り込み、良い環境ではありませんでした。従業員は手がかじかんだ状態で作業していました。
自分たちで壁を修繕するなど工夫していましたが、借地のため大きな設備の変更は難しく、移転を考えることになりました。
移転先の大きさや場所を検討しながら、コスト面も考慮し、中古工場を購入して改修する方針に決定しました。
建て替えではなく、改修を選んで良かった点は?
この規模で新築するとコスト面でやりたかったことの実現が難しかったかもしれません。
私たちの製品の強みを活かせる工場を作ることが最優先事項だったので、規模に合わせた改修を行いました。
改修のポイントは?
1つ目は床です。傷がつきやすい素材だと、傷ついた部分から塗装が剥がれ、隙間にゴミがたまります。これが製品の品質に影響を及ぼす可能性があります。床に気を使えるということは、製品にも気を使えるということにつながると考えています。作業環境をきれいに保つことは良い仕事をするために不可欠です。良い品質の製品を造るため、床の素材にはこだわり、衛生管理や効率性を考慮し、直置きをしないルールを設けています。机や椅子の脚には傷防止シートを貼り、全員がきれいに保つことを意識しています。
Before
After
2つ目は温度管理です。樹脂の切削加工における温度管理は、加工の全体的な品質、効率、コストに直結する重要な要素です。適切な温度管理を24時間行うことで、製品の精度や表面品質を維持し、工具の寿命を延ばし、生産効率を向上させることができます。加工プロセスの一環として重要視しました。
3つ目は福利厚生の改善です。「製造業、町工場、薄暗い感じ」が嫌でした。1日のほとんどを過ごす職場だからこそ、誰もが楽しく仕事ができるように、カフェテリアやパウダールームを作りました。休憩もゆっくりできるよう椅子にもこだわりましたし、置き菓子を自由に食べたり、飲み物も自由に飲めるよう冷蔵庫や電子レンジを置き、作業時間外の環境も整えました。結果、工場と同じように皆がきれいに保つことを意識するようになり、環境が意識を変えました。
期間はどれくらいかかりましたか?
補助金を使用しての改修工事だったため、待機期間もあり、草案からトータルで3、4年近くかかりました。具体的に始まってからは1年くらいでした。
長くて精神的に苦しい時もありましたが、様々なことに直面し、それに向き合うことで知識も増え、必要な時期だったと思います。
改修後の変化や効果
モチベーションは確実に上がりましたし、池田製作所で良かったと思ってもらえていると思います。この工場は従業員皆で「ああしたい、こうしたい」と意見を出し合って作ったので、社員の満足度が高いです。
自分たちで作った工場を常にきれいに保つように、使い始めてからレイアウトを少し変えるなど、より使いやすく工夫もしています。以前の工場ではラインを引いて作業スペースや物置場所を区分けしていましたが、この工場では敢えてラインを無くしました。
それでも、意識的に一直線に通路が見えるよう整え、通路に物を置かないようにする意識が自然に定着しました。
SAWAMURAにした決め手
実は5、6社に声をかけて話を進めていましたが、上手く進まないときでも最後まで寄り添って話を聞いてくれたのがSAWAMURAでした。
提案の幅広さが他社との大きな違いでした。私たちは建築やインテリアの知識が少なく、頼みたいことが頭にあっても言葉でうまく伝えられませんでしたが、SAWAMURAは「こんな雰囲気がいいな、こんなことをしたいな」と伝えると、色々なパターンを提案してくれました。
出会った社員さん皆が楽しそうに働かれていて、話しやすいところも良かったです。もう一つ挙げると、予算をすごく意識してくれた点です。
予算に合わせた提案をしてくれたことは資金繰り面が気がかりだったのでありがたかったです。
こういうことをしてもらえたらもっと嬉しかったなど改善ポイントはありますか?
本当は外壁も屋根も外構も一緒のタイミングでしてもらえたら良かったのですが、資金繰りを考えるとそれは難しく…「見た目は親しみやすい町工場。でも、一歩中に入れば、そこは洗練されたショールーム」。
お客さんはそのギャップに驚き、感動されます。これがたまらなく嬉しいです。一気にしたほうが良かったのかなと思うこともありますが、これで良かったと考えています。
内装改修から1年が経ちました。来月からは屋根の改修をSAWAMURAさんにお願いしています。
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