
最終更新日:2022年07月26日
サ高住経営を成功させるには、経営における重要なポイントや土地・建物の選び方などについて確認が必要です。入居者は、施設が提供しているサービスだけではなく、立地や過ごしやすさなどにも注目しています。ここでは、多くの人から入居を希望されるサ高住経営について詳しくご紹介します。
サ高住経営とは
サ高住とは、生活相談および安否確認のサービス付きの高齢者向け住宅のことです。入居者の年齢は60歳以上、1戸あたりの免責は25㎡以上に定められています。また、要支援・要介護認定者の入居も可能ですが、自立して生活できる高齢者であることが条件です。
サ高住経営を始めるには、次の条件を満たす必要があります。
項目 |
登録基準 |
建物 |
・床面積が原則25㎡以上
・構造・設備が一定の基準を満たしている
・バリアフリー構造 |
サービス |
・安否確認サービスがある
・生活相談サービスがある |
契約内容 |
・長期入院などで利用していない期間があっても、事業者から一方的に契約を解除することはできない
・居住の安定が図られた契約である
・敷金や家賃、サービスの利用料以外の金銭を徴収しない |
入居者要件 |
60歳以上の者または要支援・要介護認定者等 |
サ高住経営の現状
厚生労働省の「高齢者 住宅施策の現状と今後の方向性」によると、自立高齢者の入居が少なく、要介護3以上の高齢者が全体の約3割を占めています。また、住戸面積は18㎡以上20㎡未満が63.1%と最も多く、20㎡以上25㎡未満が14.7%、25㎡以上30㎡未満が12.8%が続きます。
また、サ高住の経営者は介護刑事業者が約3分の2を締めており、残りは医療系事業者が約15%、不動産業者が約8%となっています。なお、特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設は約7%とわずかです。
高齢者生活支援サービスの提供状況については、約96%の施設で食事提供サービスがありますが、入浴などの介護サービスは約48%となっています。入浴の介護サービスには、より多くの介護者が必要になるため、導入している施設が少ないと考えられます。
サ高住の建物について
サ高住は、複数の高齢者が入居するため、複数戸の建物が必要になります。建物を購入するケースもありますが、賃貸物件を借りてサ高住として利用するケースが多いでしょう。その際は、一棟貸しが基本です。毎月の賃料に加えて、固定資産税と損害保険料の支払いが必要です。
サ高住経営に適した土地
サ高住経営を成功させるには、通いやすさや過ごしやすさに注目し、適当な土地を選ぶ必要があります。次のポイントに注目しましょう。
立地
サ高住は、駅から遠い立地でも経営できます。ただし、バス停を利用する入居者が多い傾向があるため、バス停から徒歩5分圏内の立地が望ましいでしょう。
厚生労働省の「高齢者 住宅施策の現状と今後の方向性」によると、49.9%が駅徒歩圏外かつバス利用圏内です。また、医療機関へのアクセスは94.2%が徒歩圏内となっています。
面積
サ高住に戸数制限は設けられていませんが、大部分は40戸未満です。必要な土地面積は20戸程度で200坪程度、30戸程度で300坪程度が目安です。戸数が多くなればなるほどに収益性が高まりますが、それだけ適当な土地が見つかりにくくなります。ただし、敷地面積に対する延床面積の割合の「容積率」が高い土地であれば、面積が小さくても戸数が多いサ高住を実現できます。
関連施設・設備
サ高住の多くは、クリニック、通所介護施設、調剤薬局などを1階に配置し、2階以上に住宅を配置しています。1階の介護保険サービスの事業所を目当てに外部からの来客も期待できます。そのため、利便性を高めるために駐車場があることが望ましいでしょう。
駐車場を広く取りすぎると建物に使える面積が狭くなるため、最適なバランスを考えることが大切です。多くの来客が見込めるのであれば、ある程度広い駐車場を作ってもよいでしょう。
サ高住の税金の軽減措置
一定の要件を満たすことで、固定資産税と不動産取得税の軽減措置を受けることができます。主な要件は次のとおりです。
- 30~180㎡/戸(共用部分含む)
- 10戸以上
- 国か地方公共団体からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けている
- 主要構造部が耐火構造あるいは準耐火構造である
固定資産税は、1戸あたり120㎡相当部分を上限として、5年まで税額が3分の2に減額されます。
不動産取得税は、家屋が課税標準から1,200万円控除/戸、土地が下記のいずれか大きい方の額が控除されます。
- 4万5,000円
- 土地の評価額/㎡×2分の1(特例負担調整措置)×家屋の床面積の2倍(200㎡が上限)×3%
まとめ
サ高住経営に成功するには、適切な土地選びが重要です。また、過ごしやすい施設を作るとともに、安全面や視覚効果などにも配慮する必要があります。そのため、サ高住の建物の建築やリフォームは、専門家に相談することが大切です。滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる介護施設・老人ホーム・医院クリニックの建設、建築設計、リフォームなら株式会社澤村にお任せください。