
最終更新日:2022年03月02日
社会福祉法人の設立を目指す際は、設立認可基準を満たしたうえで手続きを進める必要があります。また、設立時にはさまざまな書類が必要になります。スムーズに設立するためにもあらかじめチェックしておきましょう。ここでは、社会福祉法人の設立手続きの流れや必要書類、設立認可基準などについて詳しくご紹介します。
社会福祉法人とは
社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的に設立された法人のことです。社会福祉事業とは、高齢者や児童、教育、文化など、さまざまな社会福祉に関わるサービスを提供する事業のことです。営利目的ではありませんが、収入を得られないわけではありません。
社会福祉法人の設立手続き
社会福祉法人は公益性が高く、国からの支援を受けながら事業を行います。そのため、不正に社会福祉法人を設立することがないように、厳格な要件が定められています。社会福祉法人を設立の流れや必要書類について詳しく見ていきましょう。
設立準備会の発足
設立準備会とは、代表者や監査機関、総会など、社会福祉法人の設立準備に必要な合意機関のことです。このうち総会とは、設立準備会の構成員全員の意思決定機関のことです。また、総会では代表者を1名選出する必要があります。
監査機関とは、社会福祉法人の設立にかかる費用が適切に使用されていることを監査する機関です。社会福祉法人の設立後、幹事となる予定の人物が担当することが一般的です。
定款の作成
定款とは、社会福祉法人の基本規定ことで、絶対的記載事項の記載のほか、必要に応じて相対的記載事項、任意的記載事項も記載します。絶対的記載事項が記載されていない場合、定款そのものが無効となります。例えば、社会福祉法人の設立の目的、名称、事業の種類などが該当します。
相対的記載事項は、記載がなくても定款の効力に影響はありませんが、法令上は定款で定めなければ効力が発生しない事項です。
任意的記載事項は、必ずしも記載する必要はありませんが、記載することで絶対的記載事項と同様の効力が発生するため、必要に応じて記載しなければなりません。
絶対的記載事項 |
相対的記載事項 |
任意的記載事項 |
・設立の目的
・名称
・事業の種類
・事業所の所在地
・役員(理事・監事)に関する事項
・会議の関連事項
・資産の関連事項
・会計の関連事項
・評議会の関連事項
・公益事業の種類
・収益事業の関連事項
・解散に関する事項
・定款を変更する際に必要な事項
・公告の方法
|
・評議会を置く場合における関連事項
・公益事業を行う場合はその種類
・収益事業を行う場合はその種類
・解散の関連事項
・理事の代表権を制限する規定
・行の決定方法 |
・役員外で役職を設ける場合の規定
・職員の任免に関する事項
・役員の欠員や補充の関連事項
・監事の職務の関連事項
・監事の兼職禁止の関連事項
・合併に関する事項 |
所轄庁の認可を得る
社会福祉法人を設立するには、社会福祉法で定められている手続きを行い、所轄庁から認可を得る必要があります。事業規模が2つ以上の区域にまたがる場合は都道府県知事、場所の制約がない場合は厚生労働大臣が所轄庁となります。
社会福祉法人の設立認可基準は、主に次の3つです。
- 社会福祉法人の資産(原則1億円以上の基本財産を所有している)
- 目的とする社会福祉事業を行う基準を満たしている
- 定款の内容および設立手続きが法令に則ったものになっている
設立登記
社会福祉法人は、設立の登記をもって法人として設立完了となります。
設立登記の際は次の書類が必要です。
- 設立認可申請書
- 定款
- 設立当初の財産目録
- 財産が法人に帰属することを証する書類
- 法人に帰属しない不動産の使用権限を証する書類
- 設立当初の会計年度・次会計年度の事業計画書と収支予算書
- 設立者の履歴書など
- 役員就任予定者の履歴書など
- 施設建設関係書類
- 施設庁就任承諾書
社会福祉法人の設立後も次のような取り組みが必要です。
- 法人内部で迅速に1回目の理事会を開催する
- 評議員会を設置する際は理事会で評議員を選任する
- 第2回評議員会で理事・監事を選任する・重要事項を決議する
- 社会福祉法人が土地や建物を所有している場合は不動産登記が必要
まとめ
社会福祉法人を設立する際は、公益性が高い法人のため、設立には厳格な基準を満たしたうえで必要書類を確実に提出しなければなりません。それでも必ず認可されるとは限らず、複数回の申請が必要になる場合があります。また、社会福祉法人として老人ホームなどを経営する場合は、その施設基準なども満たさなければなりません。
滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる介護施設・老人ホーム・医院クリニックの建設、建築設計、リフォームなら株式会社澤村にお任せください。