最終更新日:2023年10月30日
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、急速に普及した「オンライン診療」。自身のクリニックでも導入しようと検討している方は多いのではないでしょうか。しかし、オンライン診療の導入を計画する前に、知っておかなければならないのがメリットとデメリットです。双方をよく理解したうえで、オンライン診療の導入を検討する必要があります。
本記事では、オンライン診療におけるメリット・デメリットについて詳しく触れているため、ぜひ参考にしてみてください。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、文字通りオンライン環境で行う診療のことです。画面越しに診療ができるため、患者は医療機関に足を運ぶ必要がなく、自宅で診療を受けられます。
外来診療や訪問診療などとの組み合わせを視野に入れた診療スタイルであり、医療の質の向上や、患者の医療の機会の増加、治療効果の最大化を期待できるとされています。
オンライン診療のメリット
オンライン診療には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
さっそく、オンライン診療を導入するメリットについて解説します。
患者の居住地、状態を問わず診療できる
オンライン診療のメリットとして、まず挙げられるのが患者の居住地や、症状の状態などを問わずに診療できる点です。遠方に住む患者も、足腰に以上があり通院が難しい患者もオンライン診療であれば医療機関までの移動の負担をゼロにして、診療を受けることが可能です。
結果的に患者数を増やすことにつながり、売り上げの向上に寄与することも考えられるでしょう。
患者の満足度を向上できる
オンライン診療は、患者の満足度を向上できるのがメリットです。外来とは異なり、オンライン診療であれば待ち時間が発生しにくくなるため、患者の負担を軽減することにつながります。
また、患者自身が来院のために着替えたり、移動したりすることもなくなるため、気軽に受診を検討しやすくなるでしょう。患者のストレスが軽減されるので、クレームのリスクも軽減でき、双方にとってメリットが大きくなります。
感染症対策としても有効
オンライン診療は感染症対策として期待できます。直接対面せず、画面越しの診療となるため、患者と医師との間で感染症の感染が広がってしまうリスクがありません。また、待ち時間中に患者同士で感染してしまう恐れもないため、新型コロナウイルスやインフルエンザの院内感染を防ぐにあたって有効な診療スタイルといえるでしょう。
オンライン診療のデメリット
オンライン診療には、魅力的なメリットがある一方で、デメリットも存在します。
具体的に、どのような難点があるのかを見ていきましょう。
システムの導入費用や手数料がかかる
オンライン診療のためには、適したシステムを導入しなければならないため費用がかかります。システムを導入する時点で初期費用が数十万円かかることが多いうえに、月額費用も定期的に発生するシステムがほとんどです。
また、患者側もシステム利用料として手数料がかかるケースがあります。経済的に困窮している患者としては、手数料の負担は大きくなるため診療機会が減るリスクも隠れていることを覚えておきましょう。
操作に慣れるまでに時間がかかる
オンライン診療のデメリットの一つが、操作に慣れるまでに時間がかかることです。とくに、普段パソコンなどの電子端末を操作する機会が少なく、アナログ手法で診療を行っている方の場合は、オンライン診療のシステム操作が複雑に感じるかもしれません。
場合によっては、システムの操作方法を覚えることに負担を感じ、結局オンライン診療を断念するケースもあります。
システムの操作に不安がある方は、サポートが充実している診療システムの導入を検討することがおすすめです。
処置や検査が必要な患者には対応できない
オンライン診療は直接対面しないため、処置や検査などはできません。仮に患者が深刻な怪我を負っている場合には来院を促す必要がありますし、オンライン診療だけでは不調の原因がわからない場合には、患者に医療機関へ足を運んでもらって検査を行う必要があります。場合によっては、オンライン診療が不要となる事例もあることを踏まえたうえで、導入を検討してください。
システムや通信トラブルのリスクがある
患者とのシステム・通信トラブルのリスクがあるのは、オンライン診療ならではのデメリットです。患者自身がオンライン診療に慣れていないことも多く「声が聞こえない」「画面が映らない」などのトラブルが発生しています。
システムや通信でトラブルが発生してしまうと、診療時間が押してしまううえに、患者のストレスにもなりかねないため注意が必要です。
おわりに
本ページでは、オンライン診療のメリットとデメリットについて解説しました。
近年需要が高まっているため、オンライン診療の導入を検討する医療機関は増えています。しかし、メリット・デメリットを把握したうえで導入しないと、うまく活用できなかったり、そもそも自分の医院では不要なシステムであったりするなど、後悔することになりかねません。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、オンライン診療の導入を進めるか否かを検討してみてください。