
最終更新日:2023年09月25日
整形外科の開業を検討している方はいらっしゃいませんか?
一般的な内科と比べ、整形外科は開業において知っておかなければならないポイントがたくさんあります。
また、専門のスタッフを配置したり、必要な機器を完備したりと、開業に向けてやらなければならないことも少なくありません。
そこで、今回は整形外科の開業を検討している方へ向けて、事前に知っておくべき知識や、お金まわりの情報などについてご紹介します。
整形外科におけるお金の知識
整形外科を開業するにあたって、まず知っておきたいのがお金の知識です。開業資金としてどれくらいの費用を想定しておくべきなのか、整形外科の年収はどれくらいなのか、などについて見ていきましょう。
開業資金は6,000万円以上が目安
整形外科を開業する場合、必要な資金は6,000万円以上です。しかし、これはテナントを借りる場合の開業資金であるため、仮に医院建築で戸建ての病院を設立する場合には、1億円から1億5,000万円は必要となります。
また、開業時点でスタッフを配置することも視野に入れると、人件費や設備費なども考慮しなければならず、さらに追加で資金を準備しておかなければなりません。とくに整形外科の場合は、経験豊富な理学療法士の配置が望ましく、その分人件費も高くなる傾向にあります。設備においても、レントゲンやリハビリ関連の医療機器も導入しなければならず、初期費用は高額になりやすいといえます。
整形外科の年収は2,500万円前後
整形外科の平均年収は、2,500万円前後です。職業を問わない一般的な平均年収と比較すると、整形外科の年収は非常に高い水準であると判断できます。
しかし、同じ医療業界の中では、実はそこまで高い収入ではないのも事実。比較的年収が高い眼科や美容整形などと比べると、整形外科は数百万円から1,000万円ほど年収が低い傾向にあります。
実際、一人あたりの診療報酬単価も安価な傾向にあるため、一定の年収を確保するためには、なるべく多くの患者を診察することが重要です。
令和2年の診療報酬改定によりやや高めに設定
前項でも、整形外科における診療報酬の低さに触れましたが、令和2年の診療報酬の改定によって、これまでよりもやや高めの水準に設定されました。ただし、すべての診察に該当するわけではなく、骨密度検査機器DEXAによる検査を実施した場合の報酬単価のみが高くなると定められています。
整形外科としての開業を検討しているのであれば、日々生まれる新しい情報にアンテナを張り、できる対策を施しながら運営できるような体制づくりを意識しましょう。
整形外科の内装や必要な広さ
整形外科を開業する場合、適切な内装や必要な広さなどについてきちんと把握しておく必要があります。
本項からは、整形外科における適切な内装や、院内の広さなどについて解説していきます。
院内の広さは45㎡以上がベスト
整形外科の院内の広さは45㎡以上が好ましいでしょう。整形外科の場合は、運動リハビリのためのスペースを設けなければならず、広さが不十分であるとゆとりのない印象になってしまいます。
上記では45㎡以上として解説しましたが、実際に建築してみると45㎡では、整形外科としての運営はやや難しい広さです。
可能であれば、70坪程度の広さは確保したほうが、適合医療機関として認めてもらいやすくなり、来院数の増加も期待できるでしょう。
内装は「利用しやすさ」を重視
整形外科の内装は、審美性や意匠性だけではなく「利用のしやすさ」にも着目して計画しましょう。なぜなら、整形外科の来院者は車いすの利用者であったり、松葉杖を使う人も多い傾向にあるからです。
バリアフリー仕様で内装を考えるのはもちろんのこと、トイレや廊下などは事故につながらないような工夫も必要です。無理なく過ごせるような広めのスペースを確保し、来院者同士が快適に過ごせるように配慮しましょう。
リハビリスペースはロッカーや着替えスペースも必須
整形外科を開業するにあたり、リハビリスペースを設ける際には「ロッカー」「着替えスペース」なども取り入れましょう。来院者が広い空間でゆとりを持ってリハビリに集中できるようにするためにも、動きやすい服に着替え、貴重品はきちんと収納できるようにしておくことが大切です。
また、リハビリスペースそのものも、清潔感と安全性に配慮して環境を整えることを意識してみてください。
整形外科を開業する際の立地について
整形外科を開業する際の立地は、「アクセスの良さ」が第一条件です。怪我や病気などで歩行の負担が大きい来院者にとって、アクセスの悪い整形外科は足を運びにくくなってしまいます。
なるべく、患者さんが来院しやすいようにすることが、来院者数を伸ばすことにもつながるため「駅やバス停から近い立地」は必須の立地条件といえるでしょう。
おわりに
今回は整形外科の開業を検討している方へ向けて、知っておくべき事前知識やお金の知識を解説しました。
整形外科の開業そのものは決して難しいことではないものの、事前に必要な知識を取り入れておかないと、お金まわりで損をしたり、いざ開業してからうまく運営できなかったりするなど、トラブルに陥ることも考えられます。
ぜひ、本ページの内容をヒントにしながら、納得できる形で開業できるように準備を進めていきましょう。