
最終更新日:2023年07月31日
障害福祉事業の開業を検討している方の中には、「誘導灯は必要なのだろうか?」といった疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
誘導灯は、法律に従い設置しなければならないケースもあるため、自分が開業する場合にも誘導灯の必要性についてはきちんと調べておく必要があります。
そこで、今回は障害福祉事業を検討している方へ向けて、誘導灯設置の必要性を解説します。
そもそも「誘導灯」とは
誘導灯とは、非常時や緊急時に建物内や施設内の避難経路を示すために使用される照明のことを指します。主な目的は、災害や火災などの緊急事態が発生した際に、利用者や職員が建物内を安全に避難しやすくするためです。
一般的には、公共の場や商業施設、オフィスビル、ホテル、病院、学校、高齢者施設などの建物内に設置されることが多く、障害福祉事業施設も例外ではありません。
基本的に、誘導灯は建物の安全対策や防災対策の一環として位置付けられ、国や地域の法律・規制に基づいて設置が定められる場合もあります。
障害福祉施設に誘導灯は必要なのか
障害福祉事業において「誘導灯」の設置が必要かどうかは、具体的な状況や法律・規制などによって異なります。障害福祉事業には様々な施設やサービスが含まれるため、その内容によって必要性が変わることがあるのです。
まずは、上記について確認するためにも、自分が開業する障害福祉事業の内容と、消防法令の6条を照らし合わせて必要か否かを判断してください。
ちなみに、一般的には「避難口誘導灯」「通路誘導灯」の2種類が設置されることが多いです。
避難口誘導灯とは、建物内や施設内に設置される避難経路を示す灯りの一種です。非常時や緊急時において、避難口や緊急出口を明確に示すことで、建物内の利用者や職員が避難経路を素早く見つけ、安全に避難できるように支援するために用いられます。
一方、通路誘導灯とは建物内の通路や廊下など、利用者が移動するための経路を示す照明のことを指します。通常は建物の床や壁に設置され、利用者が建物内を安全かつスムーズに移動できるように支援する役割を果たします。
事業を開始するにあたって、誘導灯の設置の判断に不安がある方は、専門家や地域の関係機関に相談したうえで判断しましょう。
障害福祉施設に誘導灯を設置する際の注意点
障害福祉施設に誘導灯を設置する場合、いくつか注意点があります。具体的にどのようなポイントに気をつけたらいいのか、さっそくチェックしていきましょう。
設置場所は消防法に基づいて決定する
障害福祉施設における設置場所は、消防法に基づいて決定しましょう。誘導灯の設置場所は「避難口誘導灯」と「通路誘導灯」とで異なるので注意が必要です。
避難口誘導灯の設置場所として望ましいのは、曲がり角や廊下や通路などの通路誘導灯から見える位置などです。
通路誘導灯として望ましいのは、地上へ上がれる出入口に通じている通路や、屋外出口のある通路などです。出入口など、屋外へ出られる非難ルートに通路誘導灯を設けることが基本と言えます。
ただし、いずれにも例外があり、その場合の対応も大きく異なります。消防法にきちんと目を通し、違反しないように適切な場所へ誘導灯を設置しましょう。
誘導灯1台あたり10万円以上かかる
誘導灯を設置するにあたって注意したいのが、設置のためのコストです。1台あたり10万円以上かかることが多いので予算オーバーにならないよう注意しなければなりません。誘導灯の設置で高額な費用となってしまう背景には、本体代金だけではなく、工事費用や届出が必要であることが挙げられます。
そのため、コストを抑えるためには、設置しなくても良いと判断される例外基準を遵守したうえで、誘導灯の設置台数をおさえることが重要です。
ただし、消防法に触れるような減らし方は絶対に避けましょう。ペナルティが課せられるだけでなく、実際に何らかの災害が生じて利用者の避難で問題が生じたときに大きな責任を負うリスクがあります。
必要に応じて専門家に相談する
消防法に基づいて誘導灯の設置を判断することに不安がある方は、専門家へ相談することがおすすめです。防災アドバイザーや危機管理士など、消防法に精通している専門家に相談することで、誘導灯設置に関する適切なアドバイスを受けられます。
誘導灯はどこに設置すればいいのか、自分のケースでは何台の誘導灯が必要となるのか、など専門家の目線での情報を得て、障害福祉施設の開業を目指してください。
おわりに
本ページでは、障害福祉施設の開業を検討している方へ向けて、誘導灯の設置の必要性について解説しました。
法律や、施設内の状況などによって誘導灯の設置の必要性や設置場所などは大きく異なります。そのため、正しい知識を得たうえで誘導灯の設置を検討しなければなりません。
障害福祉施設を開業したい方は、必要に応じて専門家に相談しながら、誘導灯設置について正しい理解を深めていきましょう。