最終更新日:2022年07月26日
サ高住の事業を始める際は、億単位の費用がかかるケースが少なくありません。そのため、補助金を活用することが大切です。補助金の受給要件や流れを確認しておきましょう。ここでは、サ高住で利用できる補助金制度や建築費用などについて詳しくご紹介します。
サ高住とは
サ高住とは、サービス付き高齢者向け住宅のことで、要介護度が比較的低い高齢者を対象とした施設です。「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(R3.10末時点)」によると、平成23年12月の時点でサ高住の戸数は112戸で、平成30年12月には234,971戸、令和3年10月には270,244戸に増加しています※。
※出典元:「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(R3.10末時点)」」
サ高住の補助金制度
高齢者向けの施設を建設する際は、バリアフリー化や各種設備などに多額の資金が必要です。国土交通省では、サ高住の増加を促進することを目的に「高齢者等居住安定化推進事業」として、サ高住を新築する際に建築費の最大10分の1を補助しています。
サ高住の建築費用
サ高住はバリアフリー化だけではなく、部屋ごとに広さに規定が設けられているなど、さまざまな基準を満たす必要があることから、賃貸物件や一戸建て住宅と比べて建築費用が高い傾向があります。相場は1坪70万~80万円ですが、設備の内容や依頼する業者などで大きく異なります。
また、土地を持っていない場合は、新たに土地を取得して建設する必要があります。サ高住の延べ床面積はさまざまですが、600坪程度が一般的です。この規模のサ高住を建てるには、300~500坪程度の土地が必要なため、坪単価が仮に25万円とした場合は、次の費用がかかります。
(1)建築費用70万~80万円×600坪=4億2,000万~4億8,000万円
(2)土地の購入費25万円×300~500坪=7,500万~1億2,500万円
(3)(1)+(2)=4億9,500万~6億500万円
サ高住を建てるときは税制優遇も活用しよう
サ高住は、補助金を利用できるだけではなく、税制も優遇されています。税制優遇の対象となる税金は、固定資産税と不動産取得税です。それぞれの概要を見ていきましょう。
固定資産税の優遇
サ高住を新築した場合、5年間にわたり固定資産税額の3分の2が軽減されます。ただし、賃借部分のみを対象となり、上限は1戸あたり120平方メートル相当分です。市区町村によって適用条件が異なるため、お住まいの地域の役所窓口に確認しましょう。
不動産取得税の優遇
不動産取得税の優遇は、サ高住特有のものではありません。一般の住宅を新築する際に受けられる優遇と同じ内容です。
建物部分は1,200万円の控除、土地は45,000円か「土地の評価額/平方メートル×1/2(特例負担調整措置)×家屋の床面積の2倍(200平方メートルが上限)×3%」のうち、大きい方の額が控除されます。
サ高住の申請方法と補助金を受け取るまでの流れ
サ高住の登録申請から補助金の受領までの流れは次のとおりです。
- 都道府県へサ高住の登録を申請する (審査→登録通知)
- 交付申請書を提出する(審査→交付決定通知)
- 事業の開始
- 完了実績報告書を提出する(審査あり)
- 補助金額の確定が通知される
- 補助金を受領する
補助金申請の必要書類
補助金申請の際は、次のような書類の用意が必要です。
- 交付申請書
- 印鑑証明書
- 委任状
- サ高住登録通知の写し(登録申請書の写し)
- 工事内訳書
- 申請建物の平面図・配置図・案内図
- 住戸タイプ別の平面詳細図
- 用途別求積図・面積表
- 按分面積表
- 建設工事発注先の妥当性説明書
- 事業費統括表
- 需要予測書
- 地域との連携計画書
- ローンの審査に通過したことを証明できる書類
- 意見聴取における回答書の写し
- 既存物件の運営情報公開報告書
サ高住の補助金の受給要件と補助金額
サ高住の補助金を受給するには、次の要件を満たす必要があります。
- 各戸の床面積は25平方メートル以上
- 構造・設備の基準を満たしている
- バリアフリー構造
- 安保確認サービスと生活相談サービスがある
- 長期の安定が図られた契約を交わしている
- 敷金、家賃、サービスの対価以外の金銭を一切徴収しない
サ高住を新築する場合と、一般の住宅やマンションをリフォームする場合では補助金額が異なります。新築の場合は、建築費の10分の1および全戸数の2割を上限として、30平方メートル以上で135万円/戸、25平方メートル以上で120万円/戸、25平方メートル未満で90万円/戸となっています。
リフォームする場合の補助金額は、工事費の3分の1が上限で、180万円/戸となっています。
まとめ
サ高住の建築費や土地代の負担を少しでも抑えたい場合は、補助金を利用しましょう。今回、ご紹介した受給要件や流れを踏まえ、自治体の窓口でさらに詳しく説明を受けることをおすすめします。また、サ高住の建築は、知識と経験が豊富で信頼できる業者に依頼することが大切です。滋賀・京都・福井のサ高住の設計やリフォームなら株式会社澤村にお任せください。