最終更新日:2023年05月19日
居宅介護支援事業所の開業を検討している方はいらっしゃいませんか?
超高齢社会に突入しつつある日本において、介護の需要が非常に高い今、居宅介護支援事業所が注目されています。
介護される高齢者はもちろんのこと、介護者自身にとっても重要な存在であり、拡大が進んでいる状況です。
そこで、今回は居宅介護支援事業所について詳しく解説していきます。
居宅介護支援事業所とは
居宅介護支援事業所は、ケアプランセンターとも呼ばれ、主に居宅介護サービスに関する相談や計画等を立てるための場所です。
要介護者についてのヒアリングに基づいて、現状の問題や課題、提供すべき介護サービス等を明確にしていきます。
居宅介護支援事業所にはケアマネージャーが常駐していることが基本で、相談者に対してケアプランを作成します。
「居宅介護支援事業所」と聞くと、自宅で介護サービスを受けるイメージがありますが、他にも老人ホーム(経費老人ホームや住宅型老人ホーム等)も該当します。
利用料金は、介護保険でカバーできることから、利用者の経済的な負担がないのが特徴です。
居宅介護支援事業所が求められている背景には、介護者となる家族が仕事や療養などで介護プランに関する適切なケアについて考えることが難しいことが挙げられます。
ケアマネージャーであれば、中立的な立場から現実的なケアプランを作成できることから、居宅介護支援事業所が重要なのです。
また、要介護1・2を対象としている地域包括支援センターとは異なり、居宅介護支援事業所は、要介護1~5が対象であるため、より幅広い相談者のケアプランを作成できる点も理由として挙げられます。
話し合いの結果、居宅介護が難しいと判断された場合には、特別養護老人ホーム等の介護保険施設への紹介をします。
居宅介護支援事業所はどのように利用されるのか
居宅介護支援事業所はどのような流れで利用となるのでしょうか。
段階ごとに詳しく解説していきます。
利用者が自治体窓口で申し込み
まずは、利用者が自治体の「介護保険申請窓口」にて、介護保険サービスの利用を申し込みます。
要介護支援認定を申請しないと、介護保険サービスの利用ができないため、最初に済ませる工程です。
なお、申し込みは利用者本人やその家族のほか、居宅介護支援事業所のケアマネージャーが申請の代行を担うことも可能です。利用者本人が申請するのは難しい場合や、家族が仕事や療養、遠方に住んでいることなどで対応が難しい場合に、ケアマネージャーに代行が依頼されます。
ケアプランの作成
自治体の窓口での申し込みが完了したら、ケアプランの作成に進みます。
話し合いやヒアリング等の内容に基づき、本当に必要なケアプランを作成していく工程です。
ケアプランを作成する際には、「目標」「具体的なサービス内容」「支援の方向性」などをまとめていきます。
介護サービスの利用が開始した後の介護者の暮らしに直結する部分であるため、慎重かつ適切にケアププランを作成していかなければなりません。
介護事業者との契約
ケアプランを作成し、利用者側の確認が済んだら各介護事業者との契約に進みます。
利用者側の確認をとりながら、契約内容に不備や相違がないかをきちんとチェックしていきます。
この際の介護事業者との契約における連絡や調整作業は、基本的に居宅介護支援事業所で行うのが通常です。
介護サービスの利用
サービスの利用が開始したら、ケアマネージャーが月に1回以上の頻度で要介護者の居宅に訪問します。
ケアプラン通りのサービスが提供されているのかを確認するとともに、介護サービスのニーズに変化がないかを調べるためです。
居宅介護支援事業所の人員配置基準
居宅介護支援事業所は人員の配置に一定の基準が設けられています。
そのため、きちんと確認をしていきましょう。
ケアマネージャー1人に対する利用者数
ケアマネージャー1人につき、利用者数の上限は35人です。しかし、仮に利用者が35人以下であっても、居宅介護支援事業所には常勤のケアマネージャーを1人以上配置しなければなりません。
なお、35人以降は、35人増すごと(もしくはその端数を増すごと)に増員する必要があります。
管理者の要件
居宅介護支援事業所における管理者は、主任ケアマネージャーであることが要件です。
2018年度の介護報酬改定に伴い上記の要件が設けられました。
管理者の要件が設けられた理由は、ケアマネジメメントの質を向上したり、居宅介護支援事業所における人材の育成のためなどです。
ただし、離島に位置していて人材確保が難しいなど、事情によっては主任ケアマネージャー以外でも管理者として認められることがあります。
おわりに
居宅介護支援事業所は、高齢社会に突入している今必要不可欠の存在です。
とはいえ、さまざまな基準が設けられていることもあり、あらかじめ知っておかなければならないことは多いのが現状です。
介護業界に興味がある方は、ぜひ本ページの内容を参考にしながら、居宅介護支援事業所について正しい知識を深めてみてください。