
最終更新日:2023年03月20日
介護業界で働きたいと考えている方では耳にしたことがある方も多い「サービス提供責任者」。サ責と呼ばれることも多く、介護の現場において必要な人材です。
しかし、具体的にどのような業務内容なのか、役割や、働く魅力などについてはあまり知られていません。そこで、今回はサービス提供責任者について解説します。業務内容をはじめ、混同されやすいケアマネとの違い、主な勤務地などについて詳しく見ていきましょう。
サービス提供責任者(サ責)とは?
サービス提供責任者とは、訪問介護サービスの現場で重要な存在です。
訪問介護は、ケアマネージャーやヘルパーなどさまざまな役割がチームとなってサービスを提供します。サービス提供責任者はこうした各役割の間に立ち、スムーズかつ安全な介護を行えるように立ち回ることが求められます。
サービス提供責任者の仕事の品質が、そのまま利用者に対する介護サービスの質に直結するため、責任がある役割であるといえます。
サービス提供責任者(サ責)の業務や役割
サービス提供責任者(サ責)の業務や役割はどのようなものなのでしょうか。
ここからは、具体的な業務内容や役割について詳しく触れていきます。
訪問介護計画書の作成
サービス提供責任者(サ責)の業務として、まず挙げられるのが訪問介護計画書の作成です。
訪問介護計画書とは、ケアマネージャーによるケアプランに基づき作成する計画書のことです。記載する内容は、利用者の情報のほか、日常生活全般のこと、援助に関する目標など。ほかにも、本人や家族の希望も細かく記載します。
利用者が安心してサービスを受けられるように、そして、利用者自身が主人公として自分の介護について考え、決めるための計画書でもあります。
ヘルパーへの指示
作成した訪問介護計画書の内容をもとに、ヘルパーへの指示を行います。
利用者本人や家族がどのような介護を望んでいるのか、本人がどのような状態なのか、などの情報共有を行いながら、最適な介護サービスにつながるように、利用者とヘルパーの間に立って調整します。
基本的にヘルパーはサービス提供責任者の指示の通りに介護を行うため、とても責任が大きい業務です。指示の内容に誤りがあったり、そもそも利用者に適さない援助の指示を行ってしまったりすると、思わぬトラブルに陥ることもあるので慎重な判断力や計画力などが必要となります。
サービス提供責任者とケアマネの違い
サービス提供責任者と混同されやすいケアマネージャーという仕事。それぞれ役割や求められる能力などには違いがあります。
どのような違いがあるのか、以下から見ていきましょう。
作成するもの
サービス提供責任者とケアマネージャーの違いとして、まず挙げられるのが「作成するもの」です。サービス提供責任者は、訪問介護計画書を作成しますが、ケアマネージャーは前項でも触れたように「ケアプラン」を作成します。利用者や家族からヒアリングを行った結果に沿って、介護事業所と利用者の間に立ちつつ、利用者や家族目線でケアプランを作成し、サービス提供責任者や介護事業者に提出します。
ちなみに、ケアプランよりも訪問介護計画書のほうがより具体的な提案内容となり、現場での立ち回りなどが詳しく明記されています。
求められる役割
サービス提供責任者は、ケアマネージャーからの情報をもとに介護の計画を立てる役割である一方、ケアマネージャーは、利用者や家族と直接対話を交わす役割です。介護の現場では、利用者や家族との距離が近いのが特徴です。
サービス提供責任者は、利用者や家族とコミュニケーションをとるよりも、利用者に対する介護計画など方向性を決める役割にあたります。
求められる能力
サービス提供責任者に求められる能力は、介護業界に関する正しい知識や、制度の理解などです。幅広い知識を持つことで、利用者ごとに適切な介護計画を立てやすくなります。また、サービス提供者は介護を行う現場のヘルパーのマネジメントも行うことから、物事を俯瞰して見る能力や、きちんと人の話に耳を傾けて解決策を一緒に模索できる能力が求められます。
ケアマネージャーに求められる能力は、利用者や家族に対するコミュニケーション能力や、課題の抽出能力などです。ケアマネージャーがヒアリングした内容をもとに介護計画が立てられるため、どれだけ本人や家族から適切に情報が得られるかが重要です。
おわりに
今回は、サービス提供責任者について解説しました。
サービス提供責任者は、ケアマネージャーとは異なる役割であり、介護現場において責任が大きく、重要な存在です。求められる能力も多く、現場では重宝される存在です。
ぜひ、介護業界で働きたいと考えている方は、サービス提供責任者も視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。