
最終更新日:2022年09月27日
クリニックを開業する際は、スタートダッシュを切るために経験者を採用しようと考える医師が多いのではないでしょうか。経験者であれば業務を教える手間と時間を削減できるうえに、ミスが起きるリスクも抑えられます。しかし、経験者採用が必ずしも良い結果を生むとは限りません。ここでは、初めての開業で経験者優先採用をする目的や注意点について詳しく解説します。
初めての開業で経験者を優先的に採用しがちな理由
初めてのクリニック開業で経験者を優先的に採用しがちなのは、合否の基準を決めることが難しいためです。未経験者の採用も可能と考えていても、合否の基準を決めかねることで、「それならば一律で経験者のみを採用しよう」との考えに至ります。
経験者は仕事の流れやルールを把握しているため、指導にそれほど時間がかかりません。また、小さなトラブルが起きたときも自らが判断して適切に対応できる傾向もあります。一方、未経験者は何もかもに指導が必要なため、忙しい院長の負担がさらに大きくなるでしょう。
開業時における経験者採用のリスク
経験者採用は必ずしも良い結果を生むとは限りません。経験者採用にはどのようなリスクがあるのか詳しく見ていきましょう。
自己中心的な行動を取る
経験者の中には、自分はベテランだからといってクリニックのルールを無視したり自分のやり方で仕事を進めたりする人物がいます。中には自分の思い通りにならないからといって、院長に理不尽な反抗をする人物も存在し、そのような人物は周りのスタッフにも悪影響を及ぼします。
例えば、他のスタッフが現場のリーダーとなった場合、悪口を言ったり早々に辞めてしまったりするケースがあり、連鎖的な退職に繋がりかねません。
クリニックの業務に適性があるとは限らない
全ての経験者がどのクリニックの業務にも適性があるとは限りません。例えば、規模が大きい病院での勤務経験は、小規模のクリニックでは大きな利点にならない場合があります。また、システム化によって事務作業の一部しか担当していないケースもあり、システム化をしていないクリニックでは未経験の扱いになるでしょう。
トラブルメーカーの可能性がある
これはクリニックのスタッフに限ったことではありませんが、どれだけ経験が豊富でも転職を繰り返している場合はトラブルメーカーの可能性があります。業務上のトラブルだけではなく、人間関係におけるトラブルのリスクも懸念されます。人間関係のトラブルは短期間で複数の離職者を出す事態に陥る可能性があるため、トラブルメーカーは採用しないよう注意が必要です。
当然ですが、経験者のすべてに今まで述べたようなリスクがあるわけではありません。ベテランスタッフに完全に寄りかかるような採用方針にこそ、問題の本質があると言えるのです。開業したばかりの先生には難しいことかもしれませんが、「若いスタッフと共に成長しよう」という姿勢も新しいクリニックには必要です。謙虚かつ包容力のある一人のベテランのもとで若手スタッフ達が学びながら仕事を覚えていく、といった理想的チーム編成を目指して、まずは経験者と未経験者の「配置バランス」を意識してみましょう。
クリニックのスタッフを採用するときのポイント
クリニックのスタッフを採用する際は、次のポイントを押さえましょう。
経験の具体的な内容を確認する
どれだけ経験が豊富でも、クリニックで役立つ経験がなければ未経験と同等の扱いになります。そのため、数々の病院を渡り歩いてきた人物に対しても、具体的な経験の内容を確認することが大切です。
話し方や内容に注目する
トラブルメーカーかどうかを見極めるために、話し方や話の内容に注目しましょう。きつい話し方、話の内容が自慢話に近い、他のスタッフの評価を下げるような発言などをする場合は要注意です。
例えば、「私のような経験者を雇用することにはクリニックにとってもメリットがあります」のように、間違ったことは言っていないものの面接で話すようなことではない発言が多い場合は、採用を見送った方がよいかもしれません。
まとめ
初めての開業では、経験者を雇ってスタートダッシュを切りたいと考えがちです。しかし、経験者の中にはクリニックの業務に適さない人物やトラブルメーカーもいるため、採用には慎重になるべきでしょう。
また、このような採用に加えて、より多くの患者に来院してもらえるクリニック作り(外観・内装)も大切です。滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる介護施設・老人ホーム・医院クリニックの建設、建築設計、リフォームなら株式会社澤村にお任せください。