
最終更新日:2022年07月28日
介護施設とクリニックは、いずれも医療や健康に関わる施設であり、一見デザインや照明の工夫などは不要に思えるかもしれません。照明は、部屋の雰囲気を大きく左右するもののため、照明にこだわらないと暗い陰鬱とした雰囲気に感じる恐れがあります。ここでは、介護施設とクリニックの照明のポイントについて詳しく解説します。
介護施設の照明のポイント
介護施設には、居室空間と共用空間があり、それぞれ役割が異なります。居室空間は一般住宅のような空間であり、特に照明において特別な配慮は必要ありません。ただし、昼光色のような青みがかった色の照明はリラックスしづらくなります。そのため、自然の光に近い色の昼白色をメインに、電球色の間接照明を活用することがポイントです。
調光機能つきのLEDであれば、入居者の好みに合わせて光量や光の色を変更できます。廊下や食堂などの共用空間は、それぞれ最適な光量と光の色に調整が必要です。例えば高齢者はまぶしさを感じやすいため、明暗差が激しい空間は避けた方がよいでしょう。暗いところには間接照明を設置して、なるべくどこにいても同じ程度の明るさになるようにしてください。
また、空間認知能力の低下に伴い、表札が見づらくなったり目当ての場所へ行くことが難しくなったりします。例えば、食堂の方向に光を照らしたり、表札にミニライトを取り付けたりしましょう。
クリニックの照明のポイント
クリニックの照明では、部屋に応じて適切な明るさに整えなければなりません。受付や診察室、処置室、バックヤードなど、さまざまな部屋があります。JISの照度基準では、待合室と診察室では約4倍も照度が異なるため、何度も行き来すると目の負担が大きくなります。
JISの照度基準に合わせる必要はないため、患者の特性を踏まえて適切な明るさに調節することが大切です。また、受付の周りは電球色、診察室や処置室は昼光色や昼白色を選択することが多いでしょう。
不安な気持ちで来院する人の負担を少しでも軽くするために、光で安心感を与えるよう心がけたいところです。リラックスできる電球色の間接照明を積極的に取り入れましょう。また、診察室では医師が患者の表情を見ながらコミュニケーションを取ることになるため、表情が見やすい昼白色や昼光色の電球を選びます。ただし、強い光は不安をあおる恐れがあるため、適度な光量に調整してください。
介護施設とクリニックの照明を工夫するメリット
介護施設とクリニックの照明において、厳密なルールはありません。しかし、入居者や患者が過ごしやすい照明に工夫することで、さまざまなメリットを得られます。照明を工夫することのメリットについて詳しく見ていきましょう。
入居者・患者の増加が期待できる
適切な照明にすることで介護施設やクリニックに訪れた人に居心地が良い印象を与えられます。例えば、介護施設を探している入居希望者とその家族に好印象を与えられることで、入居に繋がる可能性があります。クリニックでも、居心地が良いと感じることで、再訪する可能性が高まります。
照明に工夫することは介護施設やクリニックの売上アップに繋がるのです。
医療の質が高まる
診察室で患者の表情や肌の状態などを確認しやすい照明にすれば、医療の質が高まるでしょう。また、速やかな診断も可能になり、回転率が上がることで売上アップに繋がる可能性もあります。照明は、患者だけではなく医師の適切な診察のためにも工夫することが大切です。
介護施設とクリニックの照明は専門家に相談するのがおすすめ
介護施設とクリニックの照明は、一般住宅と比べて専門知識が求められます。そのため、介護施設とクリニックの照明に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。クリニックや介護施設の建設やリフォームの実績が豊富な業者であれば、照明についても具体的なアドバイスを得られるでしょう。
また、知り合いの介護施設やクリニックを見学し、照明を独自に研究することも大切です。特に、同じ診療科のクリニックがどのように照明を工夫しているのか確認しましょう。
まとめ
介護施設とクリニックの照明を工夫することで、入居者・患者の増加が期待できます。居心地が良い施設を目指すのであれば、照明を工夫すべきでしょう。電球色や昼光色、昼白色といった光の色から光量まで最適なものを選ぶことが大切です。しかし、知識がなければ適切な照明をコーディネートすることは難しいでしょう。
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