最終更新日:2022年07月28日
医院継承(M&A)は、主に親族内承継や医院の医師への承継ができない場合の選択肢です。近年、M&Aを選択する医院が増加傾向にありますが、どのような方法なのかご存じない方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、医院継承(M&A)とは何か、メリット・デメリットも含めて詳しく解説します。
医院継承(M&A)とは
医院継承(M&A)とは、第三者に医院を承継することを指します。ここでいう第三者とは、親族やクリニックの医師以外の人物のことです。医院を購入したい医師や企業などを探し、条件交渉を経て医院継承を行います。
医院が抱える後継者問題について
M&Aを選択する医院が増加傾向にある背景には、院長の高齢化による後継者問題があります。高齢化が進むと引退を検討するようになりますが、後継者がいないために亡くなるまで院長を続ける医師が少なくありません。そうなれば、大病や急死によって急遽引退するリスクもあり、医院の医師や患者に負担がかかります。
親族に医師がいれば承継できる可能性がありますが、経営の知識やノウハウがなければ後継者にすることはできません。これは、医院の医師から後継者を選出する場合も同様です。
M&Aは経営を安心して任せられる医師に医院を譲渡できるため、後継者問題の解決に繋がります。
医院継承(M&A)のメリット
医院継承を検討する際は、メリットとデメリットを比較し、自身に適した方法かどうか見極めることが大切です。まずは、医院継承のメリットから詳しく見ていきましょう。
後継者問題を解決できる
医院継承で後継者が見つかれば、安心して引退できます。後継者は親族や自院の医師、知り合いの医師などに打診することになりますが、院長に必要な素養を備えているとは限りません。M&Aは、多くの候補の中から後継者に相応しい医師や企業を選べるため、結果的に安心して引退できるケースが多いでしょう。
譲渡の対価を受け取れる
医師を第三者に引き継ぐ際は、譲渡の対価を受け取ることができます。親族や知り合いの医師に譲渡する場合、多額の対価を受け取ることは難しいでしょう。請求するのも気がひけてしまう場合もあります。M&Aは、あらかじめ譲渡側が譲受側から対価を受け取れることが明らかなため、十分な対価を支払えない医師や企業は名乗り出ません。
アーリーリタイアも可能
十分な対価を受け取ることができれば、それを資金にアーリーリタイアも可能です。40代や50代で第一線を退き、悠々自適の隠居生活に入るのも1つの方法ではないでしょうか。また、医師のアルバイトで生活費を稼ぎ、余裕資金を老後に残しておくこともできます。
資金を元手に新たに事業を立ち上げる医師もいるように、多額の資金が手に入れば今後の選択肢が増えます。
医院継承(M&A)のデメリット
医院継承には、いくつかのデメリットもあります。次の各デメリットを踏まえて、M&Aを選択すべきかどうか考えましょう。
親族から反発を受ける可能性がある
親族でも医院の医師でもない人物や企業に譲渡すると、親族から反発を受ける可能性があります。特に、親族に医師がいる場合にM&Aを選択すると、強く反発されるでしょう。後継者は、医師としての実績や診療方針はもちろん、経営者としての素養を持っていなければなりません。その点の理解を得ずにM&Aを進めれば、反発を受ける可能性が高くなるのです。
譲渡先によっては医師の退職や患者離れが起きる
M&Aで譲渡する医師や企業は、普段から交流があるわけではないため、後継者に相応しいかどうか見極めが必要です。もし、診療方針や運営方針を大きく転換することになった場合は、医師の退職や患者離れが起きる可能性があります。
譲渡先の見極めが難しい
譲渡先を選ぶ際は、経営のノウハウを持っているかどうか確認が必要です。しかし、この見極めが難しく、意図しない結果になる可能性があります。そのため、M&Aを選択する場合は、実際に医院を譲渡した医師の話を聞いたり、専門家のサポートを受けたりしながら慎重に進めることが大切です。
まとめ
医院承継は、後継者問題を解決できる可能性がある選択肢の1つです。その一方で、譲渡先の見極めが難しいことや、選定に失敗すると医師の退職や患者離れが起きることなど、いくつかのデメリットもあります。信頼できる専門家のサポートのもとで、M&Aを進めましょう。また、医院の価値を高めて譲渡価額を高くしたいのであれば、リフォームすることをおすすめします。
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