
最終更新日:2022年05月30日
クリニック開業の際は、自己資金だけではなく融資を受けることが一般的です。4,000万~1億円程度の資金が必要なため、場合によっては複数の金融機関から融資を受けることになるでしょう。ここでは、クリニック開業時に利用できる融資先3つ紹介するとともに、審査に通過するためのポイントも解説します。
クリニック開業時に使える融資先3つ
クリニック開業時には、金融機関や地方自治体から融資を受けます。金利や保証人の有無、審査基準などがそれぞれ異なるため、対策するためにも融資先別に主要な情報を確認しておきましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、クリニックをはじめとした中小事業者向けに開業資金や運転資金を融資しています。不動産や有価証券などを担保にする場合は、最大7,200万円まで融資を受けられます。また、医療法人の場合は保証人が原則必要ですが、故人であれば不要です。
ただし、融資上限は4,8000万円のため、必要な資金額によっては他の融資先にも申し込みが必要です。
医師会・地方自治体
地方自治体が信用保証協会と連携している制度融資があります。民間ローンと比べて審査基準が低いものの、開業地が限定されたり融資を受けるまでに時間がかかったりします。また、開業地によっては医師信用組合の融資を受けられる可能性があります。ただし、医師会への加入が必須条件な点に注意が必要です。
民間金融機関で
民間の金融機関でも、クリニック開業向けの金融商品を取り扱っています。メガバンクの金融商品は上限額が高く、有担保であれば1億円まで融資を受けられるものもあります。返済期間が10年前後と他の融資先よりも長い点がメリットです。
クリニック開業時の融資の流れ
クリニック開業時に融資を受ける際は、次の流れで手続きしましょう。
1.融資条件の確認
事業計画書や設備投資の見積もり書などから必要な資金額を算出します。自己資金額を差し引いて、必要な融資額を算出しましょう。そして、金融機関や地方自治体の金融商品・制度融資の条件を確認します。
2.必要書類の提出
申し込み先が決まったら、事業計画書や設備投資の見積もり書などを用意しましょう。必要書類の提出後に融資担当者と面談しますが、金融機関によって同時に行います。
3.融資担当者との面談
財政状況や経営計画、事業がうまくいかなかったときのリスクマネジメントなどについて面談で伝えます。
4.審査
融資担当者の面談後は、提出した書類をもとに審査が行われます。約2週間で審査結果が出ますが、地方自治体の場合はさらに時間がかかる可能性があります。
5.融資の決定
審査に通過できれば、金利や融資上限、返済期間、保証人などの条件を確認し、問題なければ融資を正式に申し込みます。
融資審査に通過するためのポイント
融資審査に通過するためには、経営者に十分な収入がある、クリニックの開業後に安定収入が見込めるだけではなく、次のようにさまざまなポイントを押さえる必要があります。
経営理念・診療方針
経営理念や診療方針は、審査項目の1つです。筋の通らない経営理念やあいまいな診療方針は融資担当者の心象が悪くなる恐れがあります。
事業計画
事業計画書には、資金の調達方法や必要資金、開業後の返済計画などを記載します。期待できる収入に対して希望融資額が高すぎると、事業計画が破綻していると癒えるでしょう。問題なく完済できる見込みがあると判断されることは、融資を受けるための前提条件です。
融資条件を比較する
融資条件が非常に厳しく、現在の状況や見込みでは融資に通過できない可能性がある場合は、他の融資先を選択しましょう。特に、民間の金融機関の金融商品は条件がさまざまで、中には審査に通過できる見込みがないものもあります。クリニック開業の多忙な時期に何回も融資担当者と面談することは大きな負担になるため、借入期間や金利、保証人の有無、対象者の要件などを比較して、申し込み先を絞り込みましょう。
まとめ
クリニック開業時には、早めに融資先を探して申し込むことが大切です。ただし、審査に通過するためには経営理念や診療方針、事業計画書などの内容を充実させる必要があります。また、開業資金の調達だけではなく、クリニックの物件探しやリフォームも進めましょう。
クリニックのリフォームに詳しい業者であれば、患者とスタッフが過ごしやすいクリニック作りのアドバイスを得られます。
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