
最終更新日:2022年05月30日
クリニックの開業を目指す場合、いつ開業すべきか悩む方が少なくありません。適切なタイミングで開業しなければ、予想以上に集患ができず売上が低迷したり、スタッフが離職したりするでしょう。開業のタイミングは、院長の考え方や状況に応じて決めることが大切です。ここでは、クリニック開業のタイミングや開業時の院長の平均年齢などについて詳しく解説します。
クリニック開業時の平均年齢
日本政策金融公庫総合研究所の「新規開業実態調査(2020年度)」によると、全業種の開業時の平均年齢は43.7歳です。40代が38.1%と最も高い割合を占めており、30代30.7%が続きます。クリニック開業においても、30~40代で開業する人が多いと考えられるでしょう。
出典元:日本政策金融公庫総合研究所新規開業実態調査(2020年度)
クリニックを開業する動機
勤務医ではなく開業医でなければ実現できないことがあります。クリニックを開業する動機は人それぞれですが、勤務医で実現できることを踏まえ、開業の意思を固めた方が多いのではないでしょうか。また、勤務医と開業医は収入が大きく異なるため、将来的により多くの資産を築きたい方も開業を検討するでしょう。
クリニック開業のタイミング
クリニックを開業するタイミングは人それぞれです。どのようなタイミングで開業するのか詳しく見ていきましょう。
理想の医療を提供したいと思ったとき
勤務医は、勤め先の病院やクリニックの方針に従って医療を提供します。自分の理想の医療を提供できないことをもどかしく思い、開業を志す人もいるでしょう。また、勤務医は拘束時間が長いわりに開業医よりも収入が低いことから、自分にとって理想的な状況ではないと感じるケースもあります。
開業資金がある程度貯まったとき
開業資金がある程度貯まったタイミングで開業するのがおすすめです。クリニック向けの物件は、賃貸であっても初期費用が必要です。さらに、医療機器の購入やレンタル、人材採用など、さまざまなところに費用がかかります。たとえ賃貸物件を選択しても開業には4,000万~1億円ほどの費用が必要でしょう。
全額をローンで支払うことも可能かもしれませんが、経営リスクを考えると自己資金をなるべく多く用意することが大切です。
ある程度年齢が若い頃
年齢がある程度若い頃は、クリニック開業のローンを組みやすく、事業や生活を保障する保険の加入条件も緩くなっています。また、若いスタッフとのコミュニケーションや次のステップの想定などの観点からも、ある程度若くして開業した方が有利でしょう。その一方で、あまりにも若いと患者を不安にさせる可能性もあります。
患者の年齢や層なども踏まえて、開業する年齢を決めることが大切です。
クリニックの開業時の注意点
クリニックの開業に失敗しないためにも、次の注意点を押さえましょう。
2ヶ月程度の助走期間を設ける
開業してからすぐに集患できるとは限りません。また、集患できた場合でも、院内がしっかりまとまっていなければ患者の満足度が低下する恐れがあります。そのため、開業から2ヶ月程度の助走期間を設けて、その間にスタッフ教育や院内体制の構築を進めましょう。
最も多くの集患が見込める月から逆算して、開業のタイミングを決めてください。
物件は早めに見つけておく
クリニック向けの物件は、そのまま使用できるとは限りません。壁などが何もないスケルトン状態の場合は、内装の設計、着工、竣工が必要です。同時に、医療機器の購入や人材の採用、クリニックの宣伝なども行います。
何かと多忙になり、物件探しやリフォームがスムーズに進まないこともあるでしょう。内装工事を行わないのであれば、物件の決定から2~3ヶ月で開業できると考えられます。そうではない場合は、内装工事の内容を踏まえて早めに動き出すことが重要です。
また、賃貸の場合は契約後から賃料がかかり始めるため、最短で準備を進める必要があります。物件を決める前からある程度の計画を進めておいて、契約から開業までなるべく短期間で進めるようにしましょう。
まとめ
クリニックの開業のタイミングは、院長の考え方や開業の目的などで異なります。また、開業の平均年齢は全業種で30~40代ですが、若くして開業することにもメリットがあります。クリニックの開業のタイミングを決める際は、物件の確保やリフォームなどにかかる期間も考慮しましょう。また、クリニックに適したリフォームができる専門家を早めに探すことも大切です。
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