
最終更新日:2022年04月28日
介護事業所を開設する際は、設備基準を満たす必要があります。設備基準を満たさない介護施設は開業を認められません。また、入居者の健康面に問題が起きたり、怪我をしたりするリスクも高まります。そのため、介護事業所を開設する際は、設備基準について詳しく確認することが大切です。ここでは、介護事業所の設備基準について、デイサービスや訪問介護などサービス別に解説します。
介護事業所の設備基準とは?
介護事業所では、機能訓練室や静養室、食堂、トイレ、事務室など、さまざまな部屋・設備の設置が義務付けられています。また、各部屋・設備にも細かな要件が定められているため、単に設置すればよいわけではありません。さらに、消火設備についても、施設の面積や構造などに適した設置が必要です。
設備基準は介護事業所の種類によって異なるため注意しましょう。
通所介護(デイサービス)の設備基準
通所介護(デイサービス)には、次の設備基準が設けられています。
食堂・機能訓練を実施する場所
食堂と機能訓練を実施する場所は、いずれも1人あたり3㎡以上の面積が必要です。狭い場所での食事はストレスの原因になります。また、機能訓練においても、ある程度の広さが必要です。
相談室
相談室は、プライバシーに関わる空間のため、他の入居者に話しが聞こえないように個室であることが望ましいとされています。個室が難しい場合は、パーテーションで仕切るだけでも問題ありません。ただし、相談しやすい環境づくりの観点から、机や椅子などの設備は例外なく必要です。
事務室
事務室に面積の規定はありません。ただし、事務作業に必要な机や椅子、書棚などを設置できる面積が必要です。なお、事務室を他の用途で使用する部屋の一角に作ることはできず、専用区画を作らなければなりません。パーテーションで区切るのであれば、他の用途で使用する部屋の一角に事務スペースを作ることが認められています。
静養室
静養室には、ベッドの設置が必要です。身体を休めて回復するためには、安心して眠れる環境が欠かせません。
トイレ
トイレは生活、施設の利用に欠かせない設備です。車いすのまま入れるタイプのトイレを設置する必要があります。なお、施設の面積に応じて複数設置しなければなりません。
浴室
浴室は、サービスで使用する場合に設置が必要です。介助のしやすさ、安全性などに配慮して浴室を設置しましょう。
その他
機能訓練を行う場合は、機能訓練器具が必要です。また、容態が急変したとき、何らかのトラブルが起きたときの緊急時呼び出しボタンを部屋に用意します。そのほか、デイサービスは自宅へ送迎することになるため、送迎車も用意しなければなりません。
訪問介護の設備基準
訪問介護(ホームヘルプサービス)を運営するには、次の設備基準を満たす必要があります。
事務室
事業を運営するには、事務作業ができるスペースの確保が必要です。十分な面積の専用区画を設ける必要がありますが、居宅介護支援事業を行う区画が明確になれば問題ありません。例えば、パーテーションで空間を仕切ることによる事務スペースの確保も可能です。
相談室
訪問介護を受ける人やその家族との相談ができる部屋も設置が必要です。相談内容はプライバシーに関わるため、パーテーションで仕切るか個室でなければなりません。また、事業関係者による会議ができるスペースも必要です。
備品
訪問介護事業を行うために必要な備品を用意しましょう。例えば、コピー機やボールペンなどの一般事務用品、感染症対策のためのアルコール消毒液、金庫、書庫などを用意します。
居宅介護支援の設備基準
居宅介護支援事業(ケアマネジメント)の実施には、次の設備基準を満たす必要があります。
相談室
利用者とその家族からの相談に対応できる部屋を用意します。相談スペースは個室ではなく、パーテーションで区切って作る形でも問題ありません。
また、事業関係者による会議スペースの確保も必要です。人数に応じて適切な面積の会議スペースを確保しましょう。
備品
一般事務用品、書庫など、事業運営に必要な備品を用意します。問題なく事業運営できるように、リストアップして1つずつ確実に揃えましょう。
まとめ
介護事業所を開設する際は、設備基準を満たす必要があります。設備基準について自治体に詳しい話を聞いたうえで、介護事業所の新設やリフォームに詳しい業者に相談しましょう。
介護施設の建設やリフォームを検討しており、滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる建設、建築設計、リフォームの業者をお探しなら株式会社澤村にお任せください。