最終更新日:2022年04月28日
特別養護老人ホームは、マンションと同様に定期的に大規模修繕を行う必要があります。多額の費用がかかるため、大規模修繕をなるべく安く済ませたいと考える方は多いのではないでしょうか。ここでは、社会福祉法人(特別養護老人ホーム)の大規模修繕にかかる費用と補助金について詳しく解説します。
社会福祉施設の大規模修繕の必要性
特別養護老人ホームをはじめとした社会福祉施設は、定期的な大規模修繕によって建物の外壁や屋根の修繕、居室の改装などを行うことが大切です。さらに、共用スペースとなる老化、浴室、トイレ、食堂、レクリエーションルームなども対象となります。そのほか、電気設備や空調設備、給排水設備といったライフライン、エレベーターなどの修繕も必要です。
社会福祉施設は修繕の対象箇所が多いため、工事は長期間に及びます。しかし、
工事期間中に社会福祉施設を閉鎖するわけにもいかないため、特別な対策が必要となります。
また、破損したところを修繕するだけではなく、新たな利用者を獲得できるような魅力的な施設を目指し、大規模修繕の方針を決めなければなりません。
社会福祉施設における大規模修繕の問題点
社会福祉施設の大規模修繕施設では、入居者がいる状態で工事を進めなければなりません。仮居室を作り、入居者に移動してもらったうえで居室を順次改装していくことになるでしょう。また、騒音にも配慮しなければなりません。持病の影響で騒音に対して強いストレスを感じ、体調に悪影響が及ぶ可能性もあります。
経営目線で大規模修繕の必要性を確認することが重要
社会福祉施設の大規模修繕工事を検討する際は、その必要性を経営者目線で確認しましょう。建物は、何十年も経過すると壁にひびが入ったりひどく汚れたりして、景観に問題が生じます。また、設備も古くなり、入居者から不満の声が出たり、新たな入居者を確保しづらくなったりします。
社会福祉施設の大規模修繕の対象
社会福祉施設の大規模修繕を行う際は、入居者がより快適に過ごせるだけではなく、介護のしやすさにも注目が必要です。例えば、ユニット型への改修、居住環境の向上、ケアしやすい構造、休憩室の確保、地域住民との交流スペースの新設などがあります。
社会福祉施設の大規模修繕工事費用の目安
社会福祉施設の大規模修繕にかかる工事費用は、対象となる箇所とその面積などで決まります。医療福祉研究協会「社会福祉法人における事業継続に必要な建設費と大規模修繕に関する調査研究」によると、築年数40年以上の施設にかかった大規模修繕費用は、63,099 円/㎡(約21 万円/坪)でした。
例えば、300坪の社会福祉施設の大規模修繕には、約6,300万円もの費用がかかります。
これだけの費用を捻出するには、定期的な修繕を繰り返して社会福祉施設の魅力を高め、入居者の絶えない施設を目指すしかありません。また、自己資金だけではなく補助金を使うのも1つの方法です。
社会福祉施設の大規模修繕に使える補助金
社会福祉施設の大規模修繕に使える補助金は、各自治体が提供しています。詳しい要件や内容などは自治体によって異なる場合があるため、役所窓口へ確認しましょう。それでは、補助金の種類をご紹介します。
社会福祉施設等施設整備費補助金
社会福祉施設等施設整備費補助金は、補助対象経費の4分の3を補助する制度です。ただし、社会福祉施設の中でも特別養護老人ホームは対象外なため注意しましょう。
介護施設等の施設開設準備経費支援事業
介護施設等の施設開設準備経費支援事業は、既存施設の増床や改築による再開設時にかかる費用の一部を補助する制度です。
既存の特別養護老人ホーム等のユニット化改修支援事業
既存の特別養護老人ホーム等のユニット化改修支援事業は、既存施設のユニット化にかかる費用を補助する制度です。
介護施設等における看取り環境整備推進事業
介護施設等における看取り環境整備推進事業は、看取り対応ができる環境の整備にかかる費用を補助する制度です。看取りおよび家族の宿泊に必要な個室の確保、ベッドの整備などが対象です。
共生型サービス事業所の整備推進事業
共生型サービス事業所の整備推進事業は、障害者を受け入れるために必要な設備の導入・改修にかかる費用を補助する制度です。例えば、階段手すりの設置、段差解消の改修などがあります。
まとめ
社会福祉施設の大規模修繕には多額の費用がかかりますが、より多くの入居者を確保するためにも定期的に行うことが大切です。介護施設、事業所の大規模修繕を検討しており、滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる建設、建築設計、リフォームの業者をお探しなら株式会社澤村にお任せください。