アパートに防水工事は必要な理由？工法の種類と費用相場

最終更新日:2021年12月24日

賃貸物件オーナーにとって、アパートの管理業務は必要不可欠と言えるでしょう。

さまざまな管理の形がある中で、忘れてはならないのが「アパートの防水工事」です。

あらためて防水工事の必要性とともに、費用相場などをチェックしてみましょう。

• 1 アパートの防水工事はなぜ必要？
• 2 ウレタン樹脂による防水工事の内容と費用
• 3 FRP防水による防水工事の内容と費用
• 4 シート防水による防水工事の内容と費用
• 5 アスファルト防水による防水工事の内容と費用
• 6 まとめ

アパートの防水工事はなぜ必要？

アパートの防水工事とは、雨漏りをはじめとした外的なトラブルから建物を守るための工事のことです。

防水工事をしていないと、共有部分や部屋が雨漏りをしてしまう可能性があります。

アパートの壁や天井の防水機能が衰えている部分から雨水が入り込んでしまった場合には、建物の基盤や内部が濡れて腐食してしまう可能性があります。

すると、アパート全体の寿命が短くなったり、老朽化が進んだりしてしまうでしょう。

さらに、万が一腐食しなかったとしてもカビを発生させてしまう原因になります。

カビは臭いのもとになったり、喘息を招いたりすることもあり、人体への影響が考えられます。

また、雨漏りが部屋にまで到達してしまった場合には、入居者の家具や家財に影響を与えてしまいます。

ときには漏電のように、命に関わる重大な事故さえ招きかねません。

その場合にはやはり物件を管理しているオーナーも責任問題を問われるでしょう。

賠償責任が発生したときには、多額の賠償金を背負うことにもなりかねません。

そうしたトラブルにつながらなくとも、雨漏りが原因で建物の改修工事が必要になる可能性は非常に高いでしょう。

定期的な工事やメンテナンスをしていればその都度数万円～数十万ほどのコストで済んだところが、多額のコストに膨れ上がってしまうこともあります。

ウレタン樹脂による防水工事の内容と費用

ここからは防水工事の具体的な方法について解説していきましょう。

防水工事においてもっともポピュラーなのが、ウレタン防水と呼ばれる方法です。

一般的なウレタンではなく液体状のウレタン樹脂を使うことが特徴であり、雨漏りが起きそうな箇所に流し込むことで防水を叶えます。

液体状であるからこそ狭い箇所、特殊な形状の箇所でも滞りなく防水工事ができるという特徴があります。

またウレタン樹脂は、工事費用がリーズナブルな傾向にあることも魅力です。

相場は1平方メートルあたり、2,500～7,000円ほどと言われています。

耐用年数は10年ほどと言われており、定期的なメンテナンスを行うとよいでしょう。

FRP防水による防水工事の内容と費用

続いて、アパートの防水工事としてこちらもよく使われているのがFRP防水です。

FRPとは繊維強化プラスチックのことで、こちらも液体状の素材を雨漏りが気になる部分に塗っていく工法です。

FRPによる工事の相場費用は、1平方メートルあたり4,000～8,000円と言われています。

ウレタン樹脂に比べるとやや高く見えてしまうかもしれませんが、FRPは非常に軽く、また耐久性についても優れていることが特徴です。

こちらも耐用年数は10年ほどと、ウレタン樹脂とあまり変わりません。

シート防水による防水工事の内容と費用

続いて、シート防水という防水工事です。

こちらは塩ビシートをはじめとした、シートタイプの防水材を雨漏りが気になる部分に重ねることによって防水効果を高める方法です。

屋上やバルコニーなどにも使うことができます。

一方で、液体状の素材に比べると隙間ができてしまいやすいという点には注意が必要です。

相場費用は、1平方メートルあたり2,000～5,500円とされています。

耐用年数は10～15年程度です。

アスファルト防水による防水工事の内容と費用

続いて、アスファルトを使った防水工事です。

こちらはアスファルトを流し込んで防水を実現するという方法で、歴史の長い工法と言えるでしょう。

そのため品質についても安定していて、耐用年数も15～20年と長めの傾向にあります。

一方で、建物そのものがコンクリート構造であれば問題ないものの、木造住宅には利用できません。

さらに、施工時にはアスファルトを溶かす作業が入ることから、独特の臭いや煙が発生してしまいます。

アパートの入居者や近隣住民から苦情が起きてしまう可能性もあることから、あらかじめ早い段階で工事のお知らせをして、ことわっておきましょう。

費用相場は1平方メートルあたり5,000～8,500円です。

まとめ

アパートの雨漏りは建物全体を腐食させる可能性があるほか、ときには人のいのちにかかわるほど重大な事故を招きかねません。

賃貸物件オーナーは、定期的なメンテナンスや防水工事を行いトラブルを未然に防ぎましょう。

工法にはさまざまあり、それぞれに費用や特徴も違うことから最適な内容を選んでください。