信楽焼とは?
滋賀県を代表する伝統工芸品、信楽焼。滋賀県甲賀市信楽町で作られる焼き物は、日本六古窯の一つに数えられる歴史深い焼き物であり、滋賀県を象徴する文化財です。
信楽焼といえば、やはりたぬきの置物を語らずにいられません。信楽のまちはどこを見ても、たぬき!たぬき!たぬき!焼き物店には到底数え切れない数のたぬきの置物が並んでいたり、信楽駅(信楽高原鐵道)の駅前には5メートルを超える大きなたぬきが置かれているなど、初めて信楽を訪れる人はあまりのたぬきの数に、必ずといっていいほど驚き圧倒されます。
でも、信楽焼はたぬきの置物だけではありません。実用的なものでは、小皿や湯呑み、小鉢などの食器類から、水瓶、火鉢、植木鉢など生活において幅広い用途に活かされてきました。また、一般住宅や店舗においてインテリアや内装の一部としても使われています。

信楽焼の最大の特徴は、他の産地にはない粗い土質にあります。そのざらざらとした手触りと質感、耐火性の高さ、可塑性(力を加えたときに戻らない性質)の高さにより、大物や肉厚の作品を造るのに適しています。そのため、旅館や温泉施設で浴槽として使われていることも多く、滋賀県内の温泉やスーパー銭湯に行くと、しばしば信楽焼を使った陶器風呂に入ることができます。
また、信楽焼は焼成によって独特の「火色(ひいろ)」を生み出します。肌色やピンク系、赤褐色系の温かみのある色調に、ビードロ釉や焦げが加わることで、柔らかく人間味あふれる表情が生まれます。
信楽焼の歴史
信楽焼の始まりは、平安時代にまで遡ります。この地域特有の豊富な土と薪を活用した陶器づくりが、信楽焼のルーツです。
茶道文化の発展とともに、信楽焼は茶器や花器の製作を通じてその価値を高めてきました。特に室町時代以降、茶の湯が広まるにつれ、信楽焼の技術はさらに洗練され、文化的な意義を持つようになりました。
また、信楽焼は地域産業として、信楽町の経済と文化に大きく寄与しています。職人たちの技術は世代を超えて受け継がれ、現代でも地元の誇りとして多くの人々に愛されています。
ところで、どうして「たぬき」なの?

さまざまな表情のたぬきたち。ぽっちゃり恰幅のいいたぬきにスリムなたぬき、ウィンクしているたぬき、目を細めて笑っているたぬき。寝そべっていたり踊っていたり、頭を右に傾けたり左に傾けたりと、1つ1つ個性的な表情やポーズをとったたぬきに出会うことができるのも信楽の魅力のひとつ。
たぬきの置物が信楽の名物になったのにはいくつか理由があるようですが、そのうちのひとつに、昭和天皇が信楽を行幸した出来事があります。
1951年(昭和26年)に昭和天皇が信楽町へ行幸された際、信楽の人々は歓迎の気持ちを込めて沿道で日の丸の旗を振り、さらには沿道にたぬきの置物をたくさん並べて手に日の丸の旗を持たせたそう。この出来事がマスコミによって報道され、「信楽=たぬきの置物」というイメージが定着。縁起物として全国に広まったと言われています。
住宅での活用例

信楽焼は、建築資材やインテリアデザインにおいても活用されてきました。
玄関タイルや庭のオブジェとして使用することで、住まい全体に個性と温かみをプラスすることができます。インテリア雑貨として、花瓶や傘立て、植木鉢として取り入れたり、
日常生活に取り入れるのもおすすめです。例えば、朝食のテーブルに信楽焼の器を使うことで、食事が一層特別な時間になります。また、季節の花を信楽焼の花器に活けることで、空間に四季折々の彩りを添えることができます。
is mineを運営するSAWAMURAでも、インテリアの信楽焼のアイテムを提案したり、外構の材料の一部として信楽焼を取り入れるなど、家づくりに活用しています。
自分だけの信楽焼に出会おう|信楽焼の器・雑貨の見つけ方
信楽焼を暮らしのなかに取り入れるなら、ぜひお気に入りの信楽焼を探しに行きましょう! ここからは、自分だけの信楽焼に出会える、信楽焼の器や雑貨の見つけ方をご紹介します。
ギャラリーに訪れて信楽焼を見つける
信楽のまちには、たくさんの窯元が点在しています。工房とギャラリーを併設した窯元も多いので、作家の作品を購入できるだけでなく、迫力満点の窯や、工房内で器が出来上がっていく過程や作業の様子を見ることができたり、作品の特徴や魅力についてお店の方から直接お話を伺うこともできます。
・卯山窯 (うざんよう)

信楽駅から続く古い佇まいの道に窯元が点在する『窯元散策路』。その一角にある卯山窯は、1939年創業の窯元です。敷地内に併設されているギャラリーでは、豊富な種類の食器や雑貨が販売されています。
卯山窯
滋賀県甲賀市信楽町長野789
https://uzan.jp
・谷寛窯(たにかんがま)
NHK連続テレビ小説『スカーレット』のロケ地としても知られている谷寛窯は、江戸時代から続く窯元です。
信楽の里山に馴染むノスタルジックな建物は、明治時代に学校の講堂として使用されていた歴史的建造物。工房とギャラリーが併設された建物の中には、3代目当主・谷井芳山の作品や若手作家作品が展示・販売されているほか、美味しいコーヒーをいただけるカフェもあります。
谷寛窯
滋賀県甲賀市信楽町長野788
https://www.tanikangama.com/
・Ogama(おおがま)
1622年創業の400年続く信楽焼窯元『明山』が運営するOgama。「陶を通した、暮らし・文化を発信する場所」として、明山のオリジナル作品や地元・信楽の作家の作品が並ぶギャラリーをはじめ、陶芸教室、カフェなどを多彩な機能を併設しています。
また、2022年には宿泊施設をオープン。インテリアやお風呂、食器、キッチン用品など至る所に信楽焼のアイテムが置かれており、暮らしのなかで信楽焼を取り入れるアイデアが詰まっています。
Ogama
滋賀県甲賀市信楽町長野947
https://www.meizan.info/ogama/
カフェ巡りで、信楽焼を見つける

焼き物の里として有名な信楽には、美味しいコーヒーや自家製スイーツ、素材にこだわったご飯が楽しめるおしゃれで個性的なカフェがいくつも点在しています。自然を楽しみながらきゅったりとくつろげるカフェも多く、木々の揺れる音や鳥のさえずりを聞きながら、信楽焼の器で提供される美味しいメニューを楽しむことができます。
コーヒーカップやデザートプレートなどの器はもちろん、インテリアや外観、お庭などの至る所に信楽焼が使われていることも魅力。信楽焼の温かみのある質感と美しいデザインを手に取って体験できる貴重な機会です。
また、ギャラリーを併設したカフェもあるので、気に入った器をその場で購入することもできます。こだわりの作品を自宅の食卓やインテリアに信楽焼を取り入れる最初のステップとして、カフェ巡りがおすすめです。
HAARUで信楽焼の植木鉢を見つける
『is mine』を運営するSAWAMURA本社の敷地内にある、『HAARU Green Planning』でも、信楽焼の鉢が手に入ります。
「葉のある暮らし」を提案するHAARUでは、暮らしを彩るさまざまな観葉植物や、ガーデン・グリーン雑貨を厳選して取り揃えています。信楽焼の植木鉢は、焼き物初心者の方でも取り入れやすいアイテムの一つ。職人の手によって一点一点丁寧に作られているので、それぞれに個性があります。
お気に入りの植物に合わせて選ぶのもよし、先に植木鉢を決めてそれに合う植物を選んでみてもよし。
迷ったら、ぜひスタッフにご相談を。暮らしのなかに気軽に信楽焼を取り入れるお手伝いをさせていただきます。
信楽焼を暮らしに取り入れる
たぬきの置物や伝統的な陶器だけでなく、インテリアや建築資材として広い用途で暮らしに馴染む信楽焼。
伝統と独自性を併せ持ち、現代の暮らしに自然と溶け込む信楽焼の持つ魅力を感じながら、暮らしを彩るアイテムとして取り入れてみてはいかがでしょうか
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