最終更新日:2022年03月02日
産業や販売業など、さまざまな業種でICT化が進んでいます。介護業界も例外ではなく、介護ロボットの導入に向けて開発が進められています。そもそも、介護業界のICT化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、介護業界で進むロボットの導入のメリットから国が掲げている指針についてまで、詳しくご紹介します。
ICT化とは
ICT化とは、デジタル機器やインターネットなどのテクノロジーを取り入れて業務改善や業務効率化などを進めることです。技術によって人と人のコミュニケーションを円滑化し、結果的にサービスの質を向上させます。ICT化と言えば、WordやExcelの導入といった初歩的なものから、AI技術を駆使した最新のITツール、ロボットなどを導入する一歩踏み込んだものまでさまざまです。
介護業界では、ICT化の一環として介護ロボットの導入が進められています。現時点でまだまだ実用化とはなっていませんが、今後介護の現場で活躍することが期待されています。
介護ロボットとは
介護ロボットとは、食事や入浴などの介助を行うロボットのことです。感知機能と判断機能に基づいて動作します。介護ロボットが現在の状況から行うべき行動を判断し、適切に介助できることが理想です。不測の事態への対応、動作の精度など、さまざまな課題を解消できてはじめて介護の現場へ導入されることになります。
介護ロボットの役割
それでは、介護ロボットは介護の現場でどのような役割を果たすのか、詳しく見ていきましょう。
抱え上げて移動させる
高齢者を持ち上げるには力だけではなく技術も必要です。技術面までインプットした介護ロボットは、高齢者を安全に持ち上げることができます。また、装着型の装置に関しては、高齢者を持ち上げるときの力をアシストします。
移動のサポート
屋内での移動やベットからの立ち上がりなどをサポートします。また、装着型装置を高齢者が装着し、歩行のサポートや転倒リスクの低減などを実現する方法も構想されています。
排泄支援
ロボット技術による排泄物の処理、トイレへの誘導、下着の着脱などを支援します。排泄介助は介護士の負担が大きい部分のため、ロボットが代行できるようになるメリットは大きいと言えるでしょう。
入浴支援
ロボットが安全な入浴をサポートします。浴室は転倒のリスクがあるため、より慎重なサポートが求められます。
介護業務支援
介護業務に関する情報をもとに、ニーズに沿った介護プランを立案します。
介護ロボットを導入するメリット
介護ロボットの導入には大きな期待が高まっています。これは、介護業界において人材不足や介護者の負担が大きいといった問題を解消できる可能性があるためです。介護ロボットを導入するメリットについて、詳しく見ていきましょう。
人材不足の問題解消
介護業界は人材不足が大きな問題となっていますが、介護ロボットが導入されれば、介護職員が不足していてもサービスの質を落とさずに済む可能性があります。介護ロボット1つで介護職員2人分など、厳密なルールに則って導入する形になるかもしれません。
介護者の負担軽減
高齢者を抱き上げたり入浴介助したりする際は、足腰に大きな負担がかかります。何年も続けると大きな怪我をしてしまい、やむを得ず離職することもあるかもしれません。介護ロボットによって介護職員の負担が減ると、離職率の低下も期待できます。
被介護者の精神的な負担の軽減
高齢者の見守りをロボットが行うことで、結果的に自立を促せる可能性があります。介護を受ける人の中には、人に見守られていることに対して恥ずかしい、申し訳ないなどの気持ちを持つ人もいます。ロボットであれば、このような感情を持つことなく見守りを受けられ、精神的な負担を軽減できるでしょう。
介護ロボットに対する国の指針
厚生労働省と経済産業省は、平成24年に「ロボット技術の介護利用における重点分野」を策定しました。両省庁の連携によって介護ロボットの開発を支援することが明確化されたため、介護ロボットの開発が大きく進むことが期待されています。
まとめ
あらゆる業界でICT化が進んでおり、介護業界においては介護ロボットの導入が期待されています。介護者の負担軽減だけではなく、人材不足の解消や被介護者の精神的な負担の軽減など、さまざまなメリットがあります。介護施設では、このような業務改善や業務効率化だけではなく、住みやすい環境に整えることも重要です。
そのため、介護施設の経営やリフォームを検討する際は、介護業界に精通した業者に相談することが大切です。滋賀・京都・福井でデザインにもこだわる介護施設・老人ホーム・医院クリニックの建設、建築設計、リフォームなら株式会社澤村にお任せください。